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北陸新幹線大阪延伸「建設費半分賄える」 貸付料延長で知事試算

5/22(水) 0:54配信

北日本新聞

 北陸新幹線建設促進同盟会は21日、東京都内のホテルで大会を開き、会長の石井隆一富山県知事は、財務省が示した線路使用料(貸付料)の支払期間を30年から50年に引き延ばす案について「敦賀以西の建設費の約半分を賄えるという試算が成り立つ」と述べた。負担増となるJR側の反発は必至だが、沿線自治体の知事らは財務省案を追い風に、2兆1千億円とされる大阪延伸の建設費確保に向け議論を急ぐよう政府・与党に訴えた。

 財務省は16日の財政制度等審議会の会合で、整備新幹線の建設費に充てている貸付料の支払を、現在の30年から50年に延ばす案を示した。建設費の高騰などで公費支出が膨らんでおり、国の負担を減らすためだ。

 県の試算は北陸、九州、東北、北海道の整備新幹線各線区のうち、既に開業している区間の貸付料が年間約700億円あり、延長する20年間は同額が支払われると仮定している。単純に計算すると整備新幹線全体で1兆4千億円に上る。

 大会後、知事は「あくまで試算だが、規模のイメージを示すことで議論を前に進めたい」と強調。好調な北陸新幹線の業績を挙げ「JRの受益は開業前の予測を上回っており、期間延長は妥当だ」と語った。

 北陸新幹線は金沢-敦賀が2023年春に開業予定。敦賀以西は未着工で、国は北海道新幹線が札幌まで開業した後の31年の着工を想定する。与党はこの前倒しも含めて財源確保を検討しているが、めどはついていない。

 同盟会は北陸新幹線の沿線自治体や経済団体でつくり、大会には北陸3県と長野県の知事に加え、北陸経済連合会の久和進会長や関西広域連合、関西経済連合会のトップも出席。2031年春ごろまでの大阪までの全線開業を求める決議を採択した。

 大会後には石井啓一国土交通相ら政府・与党幹部への要請も行った。谷本正憲石川県知事が「新幹線に消極姿勢だった財務省が財源案を示した意義は大きい」と述べるなど、参加者は財務省案を踏まえ、停滞している与党内での財源議論を早急に進めるよう訴えた。

 ただ、JR各社は既に決まった貸付料の枠組みを見直すことに否定的だ。JR西日本の担当者は「30年という条件に同意しており、現行のスキームを維持すべきだ」と話しており、今後の調整は難航が予想される。(東京支社・高木健成)


◆整備新幹線の建設財源◆
 整備新幹線は公共事業として造り、列車はJRが走らせる「上下分離方式」を採用。1997年からはJR各社が線路使用料を支払い、残りを国と沿線自治体が2対1の割合で負担する財源の枠組みで建設してきた。全国新幹線鉄道整備法で73年に建設が決まった5路線が対象だが、東北新幹線と九州新幹線鹿児島ルートは開業済み。北海道新幹線の新函館北斗―札幌、北陸新幹線の金沢―敦賀、九州新幹線長崎ルートの武雄温泉―長崎が建設中だ。

北日本新聞社

最終更新:5/22(水) 15:56
北日本新聞

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