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日本が誇る“精密機械” 上原浩治の凄まじい記録

5/22(水) 15:00配信

ベースボールキング

日本屈指の“精密機械”

 また一人、名選手がユニフォームを脱ぐ決断を下した。巨人・上原浩治、44歳。異例とも言える育成契約を経て現役続行にかけた2019年シーズンだったが、ファームでは9試合の登板で防御率4.00と思うような結果を残すことができず。5月20日、都内のホテルで現役引退を発表した。

 驚きだったのが、「本日をもちまして21年間の現役生活を終えたいなと思います」という発表。“今季限りでの現役引退”を表明する選手は多いが、上原の場合はこの会見をもってユニフォームを脱ぐという決断だった。

 「8月・9月にチームが首位争いをする中で、こういう会見をするのは違うという思いでした」というのが上原本人の想い。最後の最後に帰ってきた古巣に迷惑をかけたくない、というところにも上原らしさが垣間見える。


 長らく巨人のエースとして活躍し、海の向こうでは名リリーバーとしてファンから愛された右腕。男の最大の武器と言えば、やはり“コントロール”になるだろう。

 それを表す数字として用いられるのが「与四球率(=BB/9)」。これは9イニング当たりの与四球数を表す数値で、少なければ少ないほど優秀ということになるが、上原の与四球率は驚異の1.20。通算1500イニング以上を投げた投手では歴代No.1というから、それだけで日本球界屈指の“精密機械”であることがわかる。

驚異の制球力を表す“もうひとつの記録”

 上原のスゴさを語るうえで「与四球率」はしばしば用いられるが、制球力の良さを表す数字としてもうひとつ忘れてはならないものがある。それが「暴投」の数だ。

 NPB通算の投球回が1583回2/3に対し、上原がキャリアで記録した暴投の数はわずかに「10」個。およそ160イニングに1個ということは、単純計算で先発投手として1年間ローテーションを守るなかで1個出るかどうか、という少なさということ。

 ちなみに、昨季の規定投球回到達者で暴投が1つもなかったのは、両リーグあわせても阪神のランディ・メッセンジャーただ一人。2017年も阪神の秋山拓巳が唯一で、2016年もソフトバンクの和田毅と楽天・塩見貴洋の2人だけ。上原はこれを毎年のように続けていたということになる。


 参考までに、通算1500イニング以上投げている現役投手と比較してみよう。


☆上原浩治(1583回2/3)
暴投:10
=約158イニングに1個


▼ 石川雅規(2704回)
暴投:63
=約43イニングに1個

▼ 涌井秀章(2260回2/3)
暴投:77
=約29イニングに1個

▼ 内海哲也(1969回)
暴投:54
=約36イニングに1個

▼ 金子弌大(1862回)
暴投:44
=約42イニングに1個

▼ 岸 孝之(1860回2/3)
暴投:29
=約64イニングに1個

▼ 能見篤史(1661回2/3)
暴投:54
=約31イニングに1個

▼ 和田 毅(1654回2/3)
暴投:27
=約61イニングに1個

▼ 大竹 寛(1622回2/3)
暴投:57
=約28イニングに1個

▼ ランディ・メッセンジャー(1571回1/3)
暴投:37
=約42イニングに1個

▼ 成瀬善久(1550回)
暴投:30
=約52イニングに1個

▼ 岩隈久志(1541回)※NPB通算
暴投:23
=約67イニングに1個

▼ 1535回 中田賢一
暴投:70
=約22イニングに1個

※すべてNPBのみの通算成績


 単純計算ではあるが、こうしてみると改めて上原のすごさがよく分かる。

 しかも、上原と言えばフォーク/スプリッター系の落ちる球を武器としていたなかでのこの成績。低めに投げることが鉄則の落ちるボールを駆使していながら暴投は最小限に留めているという点を考えると、数字以上にその制球力の高さは際立つ。

 記録以上に逸話や印象に残るエピソードの多い男だったが、数字で見ても日本球界にその名を残す名選手だったことは間違いない。


【上原浩治・NPB通算成績】
登 板:312試
投球回:1583.2回
勝 利:112勝
敗 北:67敗
セーブ:33セーブ
ホールド:23ホールド
完 投:56
完 封:9
無四球:21
勝 率:.626
被安打:1386
被本塁打:188
与四球:211
与死球:30
奪三振:1400
暴 投:10
ボーク:2
失 点:572
自責点:532
防御率:3.02

BASEBALL KING

最終更新:5/22(水) 15:25
ベースボールキング

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