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FRBのバランスシート、ポストQEの時代でも倍増へ

5/22(水) 0:43配信

Bloomberg

(ブルームバーグ): 米金融当局による量的緩和(QE)は終了したはずだが、本当にそうだろうか。早ければ来年にも大規模な債券購入が再開されるとアナリストらはみている。購入は米国債に限定されるが、その規模は金融危機に対応した際の規模を最終的に上回る可能性があるという。ウェルズ・ファーゴの試算によれば、当局のバランスシートは過去最高水準を超えて膨張し、今後10年間で上積みされる米国債の保有高は2兆ドル(約220兆円)を超える。

当然ながら、これは量的緩和ではない。トランプ大統領が再開を要求しているものとは異なる。経済成長を押し上げるために長期金利を低く抑えようとするのが狙いではなく、当局が保有するモーゲージ債を償還到来に伴い、徐々に米国債に置き換えることで、銀行システムに十分な準備を維持することが目的だ。しかしながら、それがもたらす効果は結局のところ量的緩和とさほど変わらないとの指摘も一部にはある。

TDセキュリティーズの金利戦略グローバル責任者、プリヤ・ミスラ氏は「この10年間にマーケットに関わってきた人なら誰でも、QEの空気を感じるだろう」と話す。「米金融当局は再び、米国債最大の買い手になる。しかもポストQEの時代にだ。米国債の市場力学において非常に強気な要素となる」と述べた。

金融危機が終息して以降、10年債利回りは平均で2.5%をやや下回る水準にある。危機前10年間の水準の約半分に相当する。

ウェルズ・ファーゴのグローバルエコノミスト、ジェイ・ブライソン氏は現在の金融政策について、「景気を刺激する作用は、危機前に実施していた場合よりも若干強い。バランスシートの力学がその原因だ」と指摘。当局が大規模な債券を保有するということは、その他の条件が同じと仮定したなら、一般的な消費者にとっては住宅ローン金利など長期のローン金利が少し低くなることを意味する。

当然、量的緩和そのものがもたらす影響は「シグナル効果」によるものが大きい。つまり、投資家が当局による購入を期待することによって、利回りが低下する仕組みだと、HSBCの米金利戦略責任者、ローレンス・ダイヤ-氏は指摘する。もう一つの留意点は、米国債市場の規模がこの10年で倍になったことだ。従って当局のバランスシート膨張がもたらすインパクトは、実際の量的緩和プログラムの影響ほど大きくならないと考えられる。経済全体の規模に比較すると、金融当局による債券投資は今後も、量的緩和のピーク時より小さいものになる。

4月30日と5月1日に開催された米連邦公開市場委員会(FOMC)会合の議事要旨は、22日に公表される。バランスシートに関する当局の計画についてヒントが与えられるかもしれない。

原題:QE May Be Over, But the Fed’s U.S. Debt Hoard Is Set to Double(抜粋)

(c)2019 Bloomberg L.P.

Liz McCormick, Alex Harris

最終更新:5/22(水) 0:43
Bloomberg

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