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集落・住民結び、復興支援 西原村で活動の男性ら、NPO設立

5/23(木) 11:06配信

熊本日日新聞

 熊本地震からの復興を目指す集落や住民同士を結び、まちづくりをサポートしようと今春、NPO法人「故郷[ふるさと]復興熊本研究所」が誕生した。新潟県中越地震での支援経験を生かして熊本県西原村で活動した男性と、県内の地域づくりを支える2人の研究者が設立。被災地間の交流の機会を広げている。

 熊本地震1年8カ月後の2017年12月から活動してきた有志による「故郷復興熊本会議」実行委員会が母体。被災集落の相互視察などを重ね、今年3月に法人化した。

 理事長の佐々木康彦さん(40)は静岡県出身。04年の中越地震を機に設立された公益財団法人山の暮らし再生機構(新潟県長岡市)の元職員で、熊本地震の発生直後に西原村入り。16年8月からは同機構出向の村職員として、集落再生をサポートしてきた。今年3月で機構を退職。現在はフリーの立場で村に拠点を構えている。

 佐々木さんは「住民が復興後に『妥協と我慢』の感情を抱き、『これでよかったのか』と後悔するのは望ましくない。住民自身が『納得』できる復興を手伝いたい」。理事に就いた柴田祐[ゆう]・県立大環境共生学部教授(47)=農村計画学、愛知県出身=と、田中尚人[なおと]・熊本大熊本創生推進機構准教授(48)=都市計画学、京都府出身=と共に、まちづくりに関わる人材育成にも力を入れていくという。

 4月末には法人化後初の会議を熊本市東区の県立大で開催。西原村の大切畑や風当、益城町の櫛島、上陳など7集落の住民を中心に約60人が参加した。

 住民らは「復興計画をコンサルタントに頼らず、住民主体の話し合いでまとめた」「全世帯の6割しか戻っていないが、住民が集落の今後を前向きに提案するようになった」と、震災後の歩みや現状について意見を交わした。初参加した熊本市南区の土鹿野[はしかの]地区の住民が近く、益城町東無田地区を訪ねる新たな交流も芽生えた。

 故郷復興熊本会議に当初から参加する住民組織「東無田復興委員会」の代表、田崎眞一さん(57)は「被災した地域は、元々あった少子高齢化など地域課題とも向き合い、努力を重ねている。課題はまだまだあり、自治体を越えたつながりをエネルギーにしていきたい」と言う。

 復興研の3人はいずれも県外出身だが、法人名に冠した「故郷」「熊本」を強く意識する。「自治体や官民の垣根を越えた第三極として、復興に臨む住民の学び合いの機会を広げ、持続的で自律的な故郷づくりに関わりたい」と将来ビジョンを描いている。(小多崇)

(2019年5月23日付 熊本日日新聞朝刊掲載)

最終更新:5/23(木) 11:06
熊本日日新聞

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