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モバイルPCのキーボード角を調整できる貼り付けスタンドを衝動買い

5/23(木) 12:00配信

アスキー

モバイルPCはディスプレー角こそ調整できるが、キーボード角は調整できない製品がほとんど。アキバで見かけたキーボードスタンド「「INVISIBLE LAPTOP STAND」を衝動買いした。

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モバイルPCのキーボード角を調整できる
「INVISIBLE LAPTOP STAND」を衝動買い
 昨今の秋葉原界隈やネットを見ていると、相変わらずキーボードに凝っている人が多いようだ。筆者もメカとしてのキーボードは大好きで、初めて買った8ビットパソコンのころから数えると、30年以上はキーボードを叩いているが、なぜかまったくタッチタイピングができない。
 
 文字入力で使う指は左手が人差し指だけ、右手は親指と人差し指、中指、小指という超変則的な組み合わせなのだ。常にキーボードを打つ人は、キー配列はもとより、キー間のピッチやキースイッチの音、深さ、反発力など色々とこだわることも多い。スカルプチャータイプを好きな人もいれば、フラットなキーボードが好きな人もいる。
 
 また、意外とキーボード全体の傾きにこだわる人も多いようだ。今でも筆者が使い続けている過去の多くのパソコンキーボードを並べて見てみると、1981年の「The IBM PC」から最近のThinkPadブランドの外付けキーボードまで、ほとんどのキーボードユニットの裏側には、キーボード全体の傾きを調整してベストな入力姿勢を実現できる工夫が施されている。
 
 大抵はキーボードユニットの上辺の裏側にある小さな“爪”を引き起こすシンプルな構造だが、筆者が愛用している一番古い省スペース型のIBM PCキーボードは、キーボードユニットに傾きを与えるための爪の引き起こし角度が二段階になっている。
 
 一方、ラップトップPCやノートパソコンと呼ばれるモバイルPC系では、キーボードの傾き調整のための爪は、ごく一部の例外を除いてほとんど付いていない。大抵は、比較的高さの無い複数のゴム足のみだ。
 
 一般的にデスクトップパソコンはキーボードとディスプレーが完全分離した形式だが、多くの場合、モバイルPCは必然的にディスプレーとキーボードがヒンジで繋がった一体型で 閉じて持ち歩く通称クラムシェル(貝殻)型が圧倒的だ。
 
 筆者の周囲を見渡してみたら、モバイルPCユーザーでキーボードに傾きを付けるためのオプションなどを使用している人はそれほど多くはない。ただし、デスクトップパソコンとは異なりあちこち持ち歩けるモバイルPCは、自宅やオフィス、図書館、ホテル、機内や車内など、利用する場所のデスクの高さによって、キーボードの入力環境やディスプレー位置の上下があることが普通だろう。
 
 ディスプレーは0~180度まで広がりどこでも視角調整できるものが多いので、角度の微調整も可能だが、全体の高さの調整は不可能だ。しかし、昨今さまざまなメーカーから発売されている通称“モバイルPCスタンド”と言うモノを使えば、ディスプレーの絶対的高さも調整可能だ。しかし、外付けの2番目のキーボードでも使わない限り、ディスプレーとくっついているキーボードの高さも必然的に変わってしまうという、ちょっと残念な結果となってしまう。
 
 昨今のタブレットの出現は、オプションでお気に入りのキーボードを追加することで、ディスプレーとキーボードのより自由なレイアウトを実現してくれるが、モバイルPCの外付けキーボード同様、操作性の向上は同時にトータル重量や携帯性の面で多少のマイナス要素にもなりそうだ。
 
Makuakeでバッカー中の「MOFT」より先に
販売されたそっくりさんをアキバで衝動買い
 色々とネタの尽きないキーボード周りだが、ネットを見渡してみると、モバイルPCの外付けオプションとして「MOFT」と命名されたモバイルPCの底面に粘着させる厚さ3mmほどの折り畳み式キーボードスタンドが、国内のクラウドファンディングサイトであるMakuakeでバッカーを募集中だった。
 
 現在のスケジュールではMOFTの出荷は再来月の7月を予定しているようだ。実は、そんなMOFTのそっくりさんが秋葉原のショップではすでに売られているというのを聞いて、効能をネット上でチェックする間もなく、大型連休明けの土曜日に早速、秋葉原に行って衝動買いしてしまった。
 
 衝動買いしたのは「INVISIBLE LAPTOP STAND」(インビジブル・ラップトップ・スタンド:以降ILSと記す)と呼ばれる、携帯型のモバイルPCスタンドだ。薄くて強度のある芯材をファブリックで覆った、折り畳み式のスタンドだ。筆者は取り付けるモバイルPCである「ThinkPad X390」に合わせて黒に近い“スペースグレイ”を選んだが、他にシルバー、ゴールド、ピンクがあるらしい。残念ながら、筆者が秋葉原で見た時はスペースグレイとシルバーの2色だけだった。
 
ILSの背面は粘着テープ素材で
モバイルPCに貼り付けて利用する
 ILSの背面は一部が粘着テープ素材になっており、出荷時には白い剥離紙で覆われている。取り付けは極めて簡単だ。モバイルPCの底面に向きを間違わないように剥離紙を剥がして貼り付けるだけ。そこそこの大きさがあるので、底面のゴム足などと均等距離で、目測で位置決めをして貼り付けてもだいじょうぶだ。ズレたら剥がしてリトライも問題ない。唯一の注意点は、モバイルPC底面の吸排気用スリットなどを覆ってしまわないことぐらいだろう。
 
 それほど手先は器用ではない筆者だが、一発で取り付けは成功した。さて無事に粘着したら、脚部を引き出してみよう。折り畳まれた脚部がスムースに出て、変に傾いてさえいなければだいじょうぶだ。続いて折り畳むと、磁力でモバイルPCの底面に張り付き、取り付け後のモバイルPCをタイトなケースやカバンに収納する時もそれほどジャマになるほどではない。
 
 さて、一番筆者が気になるところは、ILSを引き出してモバイルPCをデスクの上に置いた場合だ。ILSは折り畳み式の脚部の出し方や畳み方によって、机とキーボードとの角度を15度と25度のいずれかを選択することになる。
 
 最初、ネット上にあるMOFTの動画のように格好良く、モバイルPCの底部に廻した両人差し指の指先で、マグネットで吸着している折り畳み脚を弾いて一気に机の上に設置すると、最初は25度の角度となる。
 
 好みの問題かもしれないが、このキーボードの角度は筆者的には余りにも急角度過ぎる。25度の状態で支柱となっている部分の一部を山折りする形で前に押し出すと、高さを一段低く設定できて15度の傾斜角になる。どうも筆者的にはこのあたりが限界のイメージだった。
 
 
文字入力操作環境リフレッシュの意義はアリ
中央部が少々出っ張るという残念な点も
 ILSはモバイルPCのユーザーが、ある時はILSのお世話にならずにフラットな状態で使用し、時には積極的にディスプレーの高さを変えることや、キーボードの傾きを変えることで、文字入力の操作環境を変えてリフレッシュすることに意義はありそうだ。
 
 ただし、ILSの場合はほぼ中央部分に位置する2個のマグネットの厚みのために、フラットな吸着位置にしても、その部分の厚みがモバイルPC底面の4つのゴム足より高さがあったりすると、フラット位置でも底面中央部が出っ張り、モバイルPCがぐらぐらと安定しないことがある。本家のMOFTはその辺りが改善されていればよいのだが。
 
 国内クラウドファンディングであるMakuakeのMOFTと、今回衝動買いしたINVISIBLE LAPTOP STANDとを比較してみたかったのだが、2ヵ月先の7月出荷まで待てず、今回の衝動買いアイテムにILSを選んでしまった。ずっと先に出荷される先物買いであるクラウドファンディングと“衝動買い”はなかなか相性が悪いものだ。2つの製品に機能的な差異はあまりなさそうなので、この2ヵ月の間も衝動買いの意欲は鈍りそうだ。
 
 Makuakeで、今まさにバッカーを募集中で7月に出荷を予定されている「MOFT」だが、一番最初にお目見えしたのは今年1月初旬にラスベガスで開催されたCES(コンシューマー・エレクトロニクス・ショー)だった。そしてその日に、米国のクラウドファンディングの老舗であるKickstarterでバッカーを募集し、すでに4月に出荷を終えたらしい。
 
 続いてバッカーを募集開始したのは同じく米国のクラウドファンディングのIndiegogo、そしてどうも3番目が国内のMakuakeのようだ。あくまで想像の域を出ないが、筆者の衝動買いしたINVISIBLE LAPTOP STANDは、年初のCESでMOFTを見た企業がよく似た商品を早々に作り上げてしまい、国内の販売会社が2ヵ月も早く秋葉原で売り出したのだろう。これからは追いかけっこバトルも増えそうだ。
 
 クラウドファンディングという仕組みが最初に登場したころの“世界中の不特定多数の人から資金調達して今までに無い新しいモノを創造する”世界から、“料金先払いのキャンセル不可ネット通信販売”に変貌してきている雰囲気だ。
 
 今後は資金調達という名の前売りのために、ネットをフル活用して魅力的な情報開示をするクラウドファンディング業者と、その詳細情報を精査分析して、本家より先に商品を市場に出してしまう狡猾な“そっくりさん製造業”のバトルはますます加速しそうだ。いずれにせよ、またしても“品質”と“機能の差別化”、そして“スピード”の時代の再来だ。
 
今回の衝動買い
 
アイテム:「INVISIBLE LAPTOP STAND」
・購入:あきばお~
・価格:1500円(税込)
 
T教授
 
 日本IBM社でThinkPadのブランド戦略や製品企画を担当。国立大芸術文化学部教授に転職するも1年で迷走。現在はパートタイマーで、熱中小学校 用務員。「他力創発」をエンジンとする「Thinking Power Project」の商品企画員であり、衝動買いの達人。
 
文● T教授、撮影●T教授、編集●南田/ASCII編集部

最終更新:5/23(木) 12:00
アスキー

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