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木目柄からナビが浮かび上がる――加飾と表示機能を一体化した次世代加飾パネル

5/23(木) 6:40配信

MONOist

 大日本印刷(DNP)は「人とくるまのテクノロジー展2019 横浜」(2019年5月22~24日、パシフィコ横浜)に出展し、「モビリティの未来をいろどる・未来をまもる」をテーマに、同社が長年培ってきた“P&I(印刷と情報)”の強みを生かし、デザイン性と機能性を両立させた未来の製品コンセプトなどを多数訴求した。

エアコンの操作を想定して利用イメージ

 中でも来場者の注目を集めていたのが、展示会初出品となる「次世代加飾パネル」(開発中)である。木目柄や幾何学柄といった意匠性の高い加飾パネルと、ディスプレイや操作スイッチなどを表示できる光学性能を融合させたもので、意匠面の加飾とオン/オフ可能な情報表示機能が一体化することにより、シームレスな内装デザイン、車内空間づくりが可能になるという。

 開発の経緯について、同社説明員は「安全性の向上、自動運転の実現などを背景に、近年クルマに搭載されるセンサーの数が増加しており、それらをモニタリングするためのディスプレイの数も今後ますます増えていくものと考えられる。しかし、ディスプレイの増加は、内装のデザイン性を大きく損なう可能性があり、デザイナーにとって邪魔なものでしかない。そこで、われわれが培ってきた技術を応用し、デザインと表示機能を融合させた新しい提案ができないか? という思いから次世代加飾パネルの開発に着手した」と語る。

DNPが培ってきた加飾フィルム技術と光学技術の融合で実現

 次世代加飾パネルは、同社の加飾フィルム技術と光学技術を活用することで、通常時は木目柄や幾何学柄が施された意匠面を実現し、必要なときにだけ情報を映し出すという表示機能を実現する。また、同パネルに静電容量方式のタッチパネルを付加することでカーナビゲーションやスイッチ操作も可能となる。「一般的にこうしたものを実現する場合、半透過のフィルムを使って光を透過させることになるが、色や柄が重なってしまい情報をきれいに表示することが難しい。しかし、われわれが培ってきた技術を応用して開発したこのパネルを使えば、柄が重なることなく表示したい色や情報をしっかりと映し出すことができる」(同社説明員)。

 展示ブースでは自動運転車のインパネ(インストルメントパネル)をイメージした次世代加飾パネルのデモアプリケーションを展示。タッチ操作により、各種メーター情報、カーナビゲーション、エンターテインメント(音楽再生)、ディスプレイの非表示を選択し、表示を切り替えるデモを披露していた。

 今回のデモは未来の自動運転車を見据えたものだが、もう少し現実的な用途として、簡易的なインフォメーションを表示するサブディスプレイとしての利用や、エアコンのスイッチのオン/オフを組み込んで利用することなども考えられるという。また、次世代加飾パネルの応用として、カメラを表に見せない(カメラの存在を隠した)顔認証システムの実現に関する提案も行う。

量産開始は2020年、技術課題は光の利用効率の向上

 次世代加飾パネルに関しては、既に自動車メーカー各社から引き合いがあり、将来的にどう活用していくかを含めて検討を行っているところだという。

 同社説明員は「次世代加飾パネル用のフィルムの量産開始は2020年になる見通しだ。それまでにコスト面の精査を進めるとともに、技術課題である光の利用効率のさらなる向上を進めていく必要がある」と述べる。

MONOist

最終更新:5/23(木) 6:40
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