ここから本文です

欧州チャンピオンズリーグ・ファイナルで激突するプレミア勢 クラブ経営目線で探る躍進の理由

5/23(木) 7:01配信

VICTORY

6月1日(日本時間6月2日午前4時キックオフ)にエスタディオ・メトロポリターノ(スペイン・マドリード)で予定される今季のUEFAチャンピオンズリーグ(欧州CL)決勝は、トッテナムとリバプールというプレミアリーグ勢同士の戦いとなった。さらに、5月29日(日本時間5月30日午前4時キックオフ)にアゼルバイジャン・バクーのオリンピックスタジアムで行われるヨーロッパリーグの決勝もチェルシーとアーセナルのプレミア勢が進出。同一協会の4クラブが同一シーズンの両大会の決勝で戦うのは史上初(CL決勝での同一リーグ勢の対戦は7度目、ELは10度目)で、英メディアは「All-English Finals」などと大いに盛り上がっている。

「収益の増加、財務基盤の強化が結果につながっている」と証言するのは、リバプールのアンディ・ヒューズCOO(最高執行責任者)だ。実は英BBCによると、CL決勝に進出した両クラブは今年、サッカークラブにおける税引後の純利益で世界最高額を更新している。まず2月にリバプールが2017ー18年シーズンの決算報告を行い、純利益として1億600万ポンド(約148億円)を計上し、過去最高を更新。すると、トッテナムは4月に同純利益が、リバプールを上回る1億1300万ポンド(約158億円)に達したことを発表したのだ。

この莫大な利益はチームに好影響を与えている。リバプールは、この収益を効果的に使用。ユルゲン・クロップ監督体制となった2015年以降だけでトレーニング施設への設備投資に5000万ポンド(約70億円)を投じ、ユースやジュニアユースなどの下部組織への投資も積極的に進めてチーム力の底上げを図っている。

もちろん、安定した財務基盤があれば「ここぞ」での補強も可能になる。ローマからエジプト代表FWサラー、サウサンプトンからオランダ代表DFファンダイク、ライプチヒからギニア代表MFナビ・ケイタを獲得。トッテナムも然りで、ブラジル代表MFルーカス・モウラをパリ・サンジェルマンから補強するなど昨季は移籍市場で3200万ポンド(約45億円)を費やした。健全なクラブ経営が、好循環を生んでいる。

では、なぜプレミア勢は健全経営が成り立っているのか。重要な要素が、プレミアリーグの各クラブは株式会社として運営されており、市場に株式が公開されているところにある。外国人投資家が買収しやすい環境にあり、リバプールも投資家として財を成したジョン・ヘンリー氏が率い、松坂大輔投手(現中日)が在籍したこと米大リーグ・レッドソックスを傘下に収めるフェンウェイ・スポーツ・グループ(FSG)が2010年秋に買収。前オーナーがつくった2億ポンド(約280億円)の借金を完済し、クラブを再生した。トッテナムも、世界的投資会社タビストック・グループを率いるジョー・ルイス氏が株式を保有。同氏は英国の長者番付でトップ10に入る人物で、こちらも財務基盤が安定しているクラブといえる。

他にもマンチェスター・ユナイテッドを米実業家のグレーザー一家、チェルシーをロシアの富豪ロマン・アブラモビッチ氏が買収したのは有名だ。英紙ミラーが今年2月に発表した世界のサッカークラブを保有するオーナーの資産ランキングでは、トップ10のうちプレミア勢が半分の5人(別表参照)を占めたほど。そうした投資家が「競技性」を優先していた欧州サッカー界に「ビジネス」を持ち込んだ影響が、 収益の拡大に大きく寄与している。

1/2ページ

最終更新:5/23(木) 13:18
VICTORY

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事