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名物の露天、8風呂増設 道北の民宿「チロリン村」 漁港の大釜など再利用し手作り

5/23(木) 11:47配信

北海道新聞

今月末にも 「喜ぶお客さん多く見たい」

 【幌加内】廃バスや廃電柱、廃屋を使って建てられた町内沼牛の民宿「チロリン村」は、野趣あふれる名物の露天風呂に五右衛門風呂や大釜を使った湯船を新たに8槽を加え、充実させる。荒れ地に手作りで村を建設している村長の阿部光治さん(69)が、今月末の完成を目指し手作業で工事を進めている。阿部さんは「風呂に入って喜ぶお客さんの顔をより多く見たい」と期待し、汗を流している。

夫婦で運営を楽しんでいたが…

 チロリン村は阿部さんの実家の跡地。旭川市のスーパーの仕事を辞めた後、1992年から建設を始めた。村の名前はNHKで60年代まで放送していた人形劇番組「チロリン村とくるみの木」から付けた。「名乗るほどの場所じゃない田舎だが、この場所に昔、家族と住んで畑をおこした。何とかして生かし、人が訪ねてくるようにしたい」と願い、運営を始めた。

 「外でビールを飲みながら風呂に入れたら最高だ」。こうして作った露天風呂が村の名物になった。食事を作るのは妻の美知子さん(70)。宿泊客は多くないが、常連客もおり、夫婦で運営を楽しんでいた。2012年には旭川のクラブが2日間にわたる音楽イベントを開き、多くの人が訪れた。ところが、翌13年、阿部さんにがんが見つかった。手術をしたが、14年に再発し村を休んだ。15年に営業を再開したものの、利用客は以前の3分の1程度の年間30人ほどに大きく減った。

「元気に動けるうちにできることを」

 がんを患ったことで、阿部さんは「悔いのないよう元気に動けるうちに、できることをしよう」と心に決めていた。露天風呂を増設することにした。

 敷地内には、地域の農家が使っていた五右衛門風呂、酪農家が使っていた牛乳を保管するバルククーラー、留萌市の漁港で使われていたタコなどをゆでる大釜などが置かれていた。地域住民から「利用できるなら」と声を掛けられ、もらい受けたものだ。

 これらを活用し、敷地内の小高い丘に露天風呂を作る。風呂の一つは祭りで使われていたやぐらの土台の下に置き、コンクリートパネルをはめて目隠しになるよう工夫する。阿部さんは今、風呂の土台をコンクリートブロックで作る作業に忙しい。「8月で70歳になる。誕生日は、やぐらに電飾をともし、孫とみんなで風呂に入りたい」と完成を心待ちにしている。

最終更新:5/23(木) 11:47
北海道新聞

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