ここから本文です

水道水から有害物質検出 那覇・新都心で26・86ナノグラム 名護の100倍 2007年に岩手の研究所が調査 原因、米軍基地の可能性も

5/23(木) 9:25配信

沖縄タイムス

 2007年に全国124カ所で実施された水道水調査で、北谷浄水場が給水元となる那覇市新都心公園の水道水の有機フッ素化合物PFOS(ピーホス)とPFOA(ピーホア)の合計値が1リットル当たり26・86ナノグラムとなり、名護浄水場が給水する名護市久志の同0・25ナノグラムの約100倍だったことが分かった。浄水場を管理する県企業局がPFOS・PFOAの計測を始めた16年以前から、県民に供給されていた水道水に有害物質が流出していた可能性がある。(社会部・松田麗香)

【「この湧き水は飲めません」】嘉手納基地の周辺で注意を促す看板

 PFOS・PFOA汚染調査で、家庭に近い水道水の調査は珍しい。

 保健や衛生に関する試験検査を実施している岩手県環境保健研究センターが、全国の水道水中の有機フッ素化合物を調査。北海道から東北ではPFOSの値が低く、関東以南の都市で汚染が進行していた。近畿のある都市はPFOAが同35・1ナノグラムだった。

 環境調査団体「インフォームド・パブリック・プロジェクト」の河村雅美代表が情報開示請求し入手した。

 県内では、北中城村のキャンプ瑞慶覧、那覇市おもろまちの新都心公園、名護市久志、糸満市摩文仁の県平和祈念公園の4カ所を計測。新都心公園と同じく北谷浄水場から給水するキャンプ瑞慶覧は同16・62ナノグラム、西原浄水場から給水する平和祈念公園は同0・42ナノグラムで、北谷浄水場からの水道水が比較的高濃度だった。

 県内では、企業局が16年1月に米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や北谷浄水場からPFOSが高濃度で検出されたと発表し、汚染が発覚。企業局は17年度、約1億7千万円をかけてPFOSやPFOAの吸着効果がある活性炭フィルターを設置した。

 フィルター設置前(15年度)の北谷浄水場などの最高値は同120ナノグラムだったが、18年度は同63ナノグラムとなっている。

 河村代表はPFOS・PFOAが含まれた消火剤が1970年代から県内の米軍基地で使われていたことを挙げ、県内の汚染は基地由来である可能性を指摘。「有害物質の汚染は、発生から市民が問題を認識するまでに時間がかかる場合がある。県は、まだ明らかになっていない有害物質の実態も考慮し、危機感を持つべきだ」と話した。

PFOS・PFOA 泡消火剤や油圧作動油などに利用されていた残留性の有機フッ素化合物。2000年ごろから体内がんや胎児・乳児の発育障害の原因となる恐れが指摘され、国内で製造・使用が禁止された。一方、水道水などの汚染の規制値は国内にはない。県内では企業局が16年1月、米軍嘉手納基地周辺を流れる河川を水源とするポンプ場や浄水場から高濃度で検出されたと発表した。同年2月には普天間飛行場周辺の湧き水からも検出されている。

最終更新:5/23(木) 15:00
沖縄タイムス

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事