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富士五合目の上り後半をハーパーが独走で総合首位 増田成幸が総合4位に浮上

5/24(金) 21:53配信

Cyclist

 国内最大のステージレース「NTN presents第22回ツアー・オブ・ジャパン」(TOJ)のクイーンステージとなる第6ステージ富士山が5月24日、静岡県小山町の富士スピードウェイから富士山須走口五合目までの36kmで争われ、残り6kmを過ぎたところから独走態勢に持ち込んだクリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)がステージ優勝。前日までの個人総合時間7位から一気に首位に立ち、グリーンジャージに袖を通した。

強烈な上りをこなすクイーンステージ
 TOJのクイーンステージとして、個人総合時間争いに大きな影響を及ぼすステージとして知られる富士山ステージ。昨年から2020年東京オリンピックのロードレースゴール地点となる富士スピードウェイの外周と小山町内の公道がコースに組み込まれ、激坂として知られるふじあざみラインでの登坂力勝負の前に何かしらの展開が生まれる可能性を秘めるコースとなった。今年は須走商店街をパレードスタートして富士スピードウェイへと下っていき、同サーキットの外周を2周。その後、再び須走商店街を経由してふじあざみラインで富士山須走口五合目へとフィニッシュする36kmとなった。

 パレード走行を終えたレースは、一旦、富士スピードウェイ西ゲートで停止。あらためて正式スタートが切られた。すると、スタート直後から昨年の同ステージで優勝したマルコス・ガルシア(スペイン、キナンサイクリングチーム)を擁するキナンサイクリングチームが集団先頭に立ってコントロールを開始し、昨年の再現を狙う展開になった。

 その後、キナンサイクリングチームがコントロールを続けるまま富士スピードウェイの外周路を出て須走商店街へと進路をとった集団からは、アルチョム・オヴェチキン(ロシア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)がアタックを仕掛けて単独で抜け出す展開に。そのままオヴェチキンが先行するまま、レースはふじあざみラインへと入った。
残り6kmでハーパーがアタック
 ふじあざみラインに入ってしばらくすると、集団がオヴェチキンを吸収。すると今度は、メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)とディラン・サンダーランド(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)の2人が集団から飛び出して先行する展開に。

 この動きと勾配が厳しくなっていくのをきっかけに集団は崩壊してバラバラに。数人ずつ選手がまとまって先行する選手を追う状態になった。そんな中、先頭を走る2人に単独でハーパーが合流し、先頭は3人に。その後方には10人程度の追走集団が形成される展開になった。

 3人になった先頭では、先待ちの状態となっていたサンダーランドがハーパーのために献身的にアシストし、イヨブが単騎で踏ん張る状態が続く。残り6kmを切ると、満を持してハーパーがアタックを仕掛けて飛び出していき、独走状態に。役目を終えたサンダーランドがドロップし、イヨブが単独2番手を走る展開になった。

 一方、先頭の3人を追走していた10人程度の集団は残り距離を減らす中で人数が絞られ、ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)、増田成幸(宇都宮ブリッツェン)、ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)の3人に。追走の手を緩めない3人は、2番手のイヨブが視界にとらえられる距離で追走を続ける状態まで追い上げる展開になった。しかし、先頭のハーパーはお構いなしとばかりに先頭を快走し、そのまま独走でフィニッシュ。ステージ優勝を飾ると同時に、個人総合時間でも7位から一気に首位に立った。その28秒後に2番手でイヨブがゴールすると、注目は3番手争いに集まることになった。

増田は総合表彰台まで5秒差
 3番手争いを繰り広げる3人の集団では、残り1.5kmほどの段階でプラデスがアタック。すぐに増田が反応しようとしたがつけず、トリビオもその前からずっとつき位置の状態だったために動けず、プラデスが若干先行する状態で残り距離を減らしていく状態に。結局、増田とトリビオから8秒のリードを稼ぎ出したプラデスが3位となった。

 惜しくもトップ3は逃したが、増田の日本人選手最上位となる4位で、TOJに富士山ステージが登場してからの日本人最上位を更新した。増田は個人総合時間でも4位に浮上し、開催国の選手としての意地を見せた格好になった。
 この結果、グリーンジャージはベンジャミン・ヒル(オーストラリア、リュブリャナ・グスト・サンティック)からハーパーへ。スプリントポイントの設定がなかったポイント賞ジャージはレイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)がキープしたが、新人賞ジャージはアダム・トーパリック(チェコ、ザワーランド・NRW・P/B・SKSジャーマニー)から優勝したハーパーに移った。また、この日8位に入って山岳ポイントを3ポイントを加算したフィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)は、明日の第7ステージで2回設定されている山岳ポイントを2回先頭通過しても上回る選手がいなく山岳賞ジャージが確定した。

 翌日の第7ステージは、静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターとその周辺道路で構成される1周12.2kmのコースを10周する122km。個人総合時間争いを見てみると、1位のハーパーこそ45秒のリードを持っているが、2位のプラデスと3位のイヨブの差はわずか1秒、イヨブと4位増田とのタイム差も5秒と僅差。それ以降の順位でもタイム差がほとんどないところもあり、現在の順位を守る選手が多いのかその逆かで展開が大きく変わることも予想される。また、この日は6分45秒遅れの33位でゴールし、個人総合時間での連覇の可能性がほぼ潰えたと言っていいガルシアを筆頭に、ステージ優勝に目標を切り替えた選手たちが攻撃的な走りで勝利を狙ってくることも考えられる。実質的に個人総合成績を争うラストチャンスとなり、さまざまな思惑が絡み合う第7ステージは、目が離せないレースになるだろう。
第6ステージ結果
1クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)1時間22分24秒
2メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)+28秒
3ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)+43秒
4増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+51秒
5ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)
6フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)+1分6秒
7フォン・カーホー(香港、HKSIプロサイクリングチーム)+1分12秒
8フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)+1分20秒
9ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)+1分25秒
10アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー)+1分38秒

個人総合時間
1クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 13時間50分42秒
2ベンジャミ・プラデス(スペイン、チームUKYO)+45秒
3メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)+46秒
4増田成幸(宇都宮ブリッツェン)+51秒
5ホセビセンテ・トリビオ(スペイン、マトリックスパワータグ)+1分0秒
6フランシスコ・マンセボ(スペイン、マトリックスパワータグ)+1分7秒
7ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)+1分34秒
8フォン・カーホー(香港、HKSIプロサイクリングチーム)+1分36秒
9サム・クローム(オーストラリア、チームUKYO)+1分49秒
10アドリアン・ギロネット(フランス、インタープロサイクリングアカデミー)+1分59秒

ポイント賞
1レイモンド・クレダー(オランダ、チームUKYO)67 pts
2フェデリコ・ズルロ(イタリア、ジョッティ・ヴィクトリア・パロマー)57 pts
3窪木一茂(チーム ブリヂストンサイクリング)55 pts

山岳賞
1フィリッポ・ザッカンティ(イタリア、NIPPO・ヴィーニファンティーニ・ファイザネ)33 pts
2メトケル・イヨブ(エリトリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)19 pts
3クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン)15 pts

新人賞
1クリス・ハーパー(オーストラリア、チーム ブリッジレーン) 13時間50分42秒
2ドリュー・モレ(オーストラリア、トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム)+1分34秒
3フォン・カーホー(香港、HKSIプロサイクリングチーム)+1分36秒

チーム総合
1マトリックスパワータグ 41時間37分28秒
2トレンガヌINC.TSGサイクリングチーム+10秒
3チーム ブリッジレーン+1分41秒

「2019 ツアー・オブ・ジャパン」ウェブサイト

最終更新:5/24(金) 22:45
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