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藤生わらび園(5月24日)

5/24(金) 10:32配信

福島民報

 南会津町藤生[とうにゅう]地区の鋏山[はさみやま]が大型連休中、煙に包まれた。標高千メートルを超える高地の草場に炎が走る。もしや、山火事か。枯れ草に覆われた薄茶色の山は、数時間で真っ黒に焦げ上がった。山焼きと呼ばれる恒例行事で、江戸時代から続く。

 地元の約百世帯が総出で立ち会い、先人の知恵と長年の経験を生かす。風向きをみながら、山頂や麓から次々と火を付けた。火災や事故は起こさない。気心の知れた住民同士だからできるのだろう。燃やした山肌は八十五ヘクタールに及び、山焼きで全国的に知られる奈良・若草山の三十三ヘクタールをはるかにしのぐ。

 鋏山に火を入れるのには理由がある。雪の下で冬を越した枯れ草を焼き、病虫害の発生を防ぐ。灰は土の力を強くする。草地を守り、おいしい山菜を育てるために欠かせない。暖かな日差しに誘われ、ワラビやフキ、ヤマウドなどの芽が二週間ほど前から出始めた。ようやく収穫期を迎える。

 一帯は「藤生わらび園」と呼ばれ、地区住民による生産組合が管理する。今季は二十五日から七月七日までの毎週水、土、日曜日に有料で採ってもらう。受け入れ準備は整った。次は入山者がルールを守り、事故なく楽しむ番である。

最終更新:5/24(金) 10:32
福島民報

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