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単身者は6割が「厳しい」と…年金生活で月5万円浮かすコツ

5/24(金) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

【令和の年金改悪 突っ切る知恵】(13)

 日常生活費程度もまかなうのが難しい――。金融広報中央委員会の「家計の金融行動に関する世論調査」によると、カツカツの年金生活が垣間見える。2人以上世帯は4割、単身世帯は実に6割がそう答えている。この先、年金受給額はさらに2~3割も目減りするという。どうやって節約するか。

 大阪に住む69歳の男性は、大台の年収1000万円で現役生活を終え、年金生活を始めて4年になる。「海外でゴルフできるかな」と老後の生活を軽く考えていたが、「不安なんてもんじゃない。真っ暗」と嘆く。

「節約しているのは食費で、平日の昼と夜は宅配サービスで済ますわ。5日分が2食ずつで、合計3000円ほど。週末? 近くのスーパーで総菜を買うてな。400円はよう出さん。298円。現役時代の1000円ランチなんて、もってのほか。今月は、4万円の自動車税もあるしな。ほんま、キツイで」

 妻とは若いころに別れていて、年金は月18万円弱。3階部分もあったそうで、かなり恵まれている方だが、それでもキツイという。

 この男性のように、年金生活では、車の維持費が大きな重しになる。

 ゴルフやキャンプなど、車が必要な趣味があると、そこがネックになりやすいという。

 経済ジャーナリストの荻原博子氏が言う。

「ガソリン代や車庫代、保険料などを合わせると、毎月2万~3万円になり、年金額の1割を超えるのは大きな負担です。車種や乗り方によっては年間維持費が50万円を超える人もいる。車を持つなら、軽自動車。都市部ならやめてカーシェアです」

 ゴルフ場の駐車場で軽はまず見かけない。プライドが邪魔する男性は、次の車検までにカーシェアに切り替え、週イチのゴルフを月2回に減らすというが、「趣味もできずに、なんのために生きるんや」とボヤく。

■高額な死亡保障は必要なし

 年金生活を送る上で欠かせない節約項目は、生命保険と通信費だ。

 特に今の年金受給世代は、ネット系の割安なプランではなく、生保のセールスレディーにすすめられるがまま高額なプランに契約していることが少なくないという。

「月額3万円近い生命保険を契約している人もザラですが、子供も独立している年齢で、高額な死亡保障は必要ない。仮に亡くなっても、妻には遺族年金があります。保険の見直しは必須です。3万円の契約が、1万円以下になることも十分あります」(荻原博子氏)

 大阪の男性も、月額3万円を超える生命保険を契約していたが、5年ほど前に胃がんに。そのプランでは、がんの手術後は、その後の保険料の支払いが免除されるため、「助かった」そうだ。

 通信費については、どう切り詰めるか。

「たとえば、自宅で動画などを見ないのなら、自宅の高速回線は必要ないでしょう。その高速回線を解約して、手持ちの携帯電話は格安スマホに切り替えるのがベター。切り替えが面倒なら、契約している会社の店舗かカスタマーセンターに相談して、より割安なプランに変更すること。格安スマホなら、月額2000~3000円程度で済みます」(荻原博子氏)

 車と保険と通信費で、5万円節約するのが理想。ゴルフの回数が多い大阪の男性は、車の維持費だけで年間50万円が浮くそうだが、「大病したら終わり。ほんま、崖っぷちやわ」とうなだれるのだった。

■年金受給額の平均は厚労省のデータより4万円少ない現実

 生命保険文化センターの調査によると、老後生活に「不安感あり」と答えた人は約86%。冒頭の金融広報中央委員会の調査に比べ、より不安感が強く映し出されている。「非常に不安を感じる」は約23%だ。

 日本年金機構の主要統計を見ると、被保険者の標準報酬月額は31万2706円。

 仮に月額30万円として、今の年金受給世代の老齢厚生年金の目安を試算すると、平成15年3月までの基準で年間103万円、月額10万円に満たない。

 厚労省の報告書では、老齢厚生年金の平均受給額は14万円を超える。報酬月額からの数字はあくまでも試算とはいえ、大きな隔たりがあるのが現状だ。

 この実情が、生活者の不安につながっているのだろう。

最終更新:5/24(金) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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