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嵐電という電車はすごく映画館に似ているんです。『嵐電』鈴木卓爾監督【Director’s Interview Vol.28】

5/24(金) 9:37配信

CINEMORE

箱庭のようなチャーミングな京都

Q:「京都」を撮影してみての印象は何かありますか。

鈴木:京都っていう町は、何かすみ分けられてるような、時間も分けられてるような感じが不思議とあって。何だか町のつくりがそうさせてるような気がするんです。碁盤の目のようにつくられているから、何か地続き感があるようで、道に迷わない町なんだけど、でも途中でふっと途切れるんですよね。そして、どこからでも山が見える。人の作ったものと自然との時間が、異なった遠近感で同時に目の前にある、狭いながらにもチャーミングさがある町だなと思っていました。まるで箱庭みたいですよね。

 そういうものが、この映画ではどう感じるんだろうなって。でもどこかで、京都の方々から「これ、わたしの知ってる京都じゃない」って言われるよりは、「なんかいつもの風景が映ってたわ」っていう、そんなふうに思ってもらえるといいなと、撮影しながら思っていました。

Q:最後に、このインタビューを読んでくださった皆さんに、メッセージをお願いします。

鈴木:この映画を見た方が嵐電に乗りたくなるような映画を撮りました。実際に嵐電に乗っていただくと、実はこの映画も嵐電も、現実の京都の世界から地続きで異界への入り口があっちにもこっちにも開いてる事を見せているんだなって、分かっていただけるかなと思います。そしてきっと、日本のあちこちの街でも同じように物語の口が未だ開いているのかもしれないなって、この映画を見ていろいろな事を感じたりしてくださったお客さんが、本当の意味でこの映画を完成させるのだと思っています。

 これは主演の井浦新さんの受け売りなんですが、「大事な人の手をギュッと握り締めたくなるような映画」だと。井浦さんがインスタグラムでそう書いてくれたんです。確かに、誰かのことを好きになったことがある人に向けた、電車の形をしたラブレターだと思っているので、そういう全ての人に、ぜひ映画館で見てほしいなと思っています。どうぞ映画館まで『嵐電』に乗りにお越しください。


取材・文:CINEMORE編集部 F
CINEMOREの編集部員兼ライター。映画のめざめは『グーニーズ』と『インディ・ジョーンズ 魔宮の伝説』。最近のお気に入りは、黒澤明や小津安二郎など4Kデジタルリマスターのクラシック作品。


監督・脚本・プロデューサー:鈴木卓爾(すずき・たくじ)
1967年、静岡県生まれ。京都造形芸術大学映画学科准教授。長編映画作品に『私は猫ストーカー』(09年)、『ゲゲゲの女房』(10年)、『ジョギング渡り鳥』(16年)等がある。2018年、SF映画『ゾンからのメッセージ』を全国で公開中。少し不思議な人間外世界を意識した世界観の中に、ささやかな人々のドラマを描き、フィクションの地平を拡張し続ける。俳優としても活躍し、『容疑者Xの献身』(08年)、『セトウツミ』(16年)、『あゝ荒野』(17年)など、多数の作品に出演している。


『嵐電』
5月24日(金)テアトル新宿、京都シネマほか全国順次公開
名演小劇場 5月25日(土)公開
テアトル梅田 6月7日(金)公開
シネ・リーブル神戸 6月21日(金)公開
出町座 6月22日(土)公開

製作:ミグラントバーズ、オムロ、京都造形芸術大学/制作協力:北白川派
特別協力:京福電気鉄道株式会社、東映京都撮影所、右京じかん/後援:京都市
配給・宣伝:ミグラントバーズ、マジックアワー
公式サイト:www.randen-movie.com
(C)Migrant Birds/Omuro/Kyoto Univercity of Art and Design

鈴木卓爾

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最終更新:5/24(金) 9:42
CINEMORE

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