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京都=観光地…じゃない!映画の街を再認識させる1本の映画

5/24(金) 11:02配信

dmenu映画

京都は、言わずと知れた日本を代表する観光スポット。今や国内だけでなく海外からも旅行客が押し寄せる一大人気観光地になっている。

一方で、京都は今も東映と松竹の撮影所が現存する「映画の街」。かつては日活、大映、東宝の撮影所もあり、昭和初期の映画創成期から映画が作られ、数々の世界的名作が生まれた場所でもある。

映画『嵐電』(5月24日よりテアトル新宿ほか順次公開)は、観光地化で忘れられては惜しい、京都が「映画の街」であることを再認識させてくれる1本と言っていい。

3世代の男女が織りなす、穏やかでピュアなラブストーリー

本作に主要人物として登場するのは3世代の男女。新たな創作のため鎌倉から京都を訪れた井浦新演じる40代のノンフィクション作家の平岡衛星と、カフェで働く大西礼芳演じる20代の小倉嘉子を中心に、3世代のそれぞれの愛についての物語が展開する。

その中で描かれるのは、10代の高校生の真っ直ぐな恋であったり、20代の男女のどこか運命めいた出会いと恋愛の予感であったり、40代の男の胸に甦る妻との思い出だったり。とりたててドラマチックなことが起きるわけではない。だが、それぞれの登場人物の大切な人への想いが綴られる。

たとえば40代ならば、現在のパートナーとの出会いを思い出すとでもいおうか。大切な人を前にしたときの男女の気恥ずかしいぐらいのピュアな感情が収められたラブストーリーになっている。

そして、その物語の舞台として大きな存在感を放つのが、京都の街並みだ。

日本映画の歴史と深く結びつく京都・嵐電が舞台

タイトルになっている「嵐電(らんでん)」とは、京都の街を走る「京福電気鉄道嵐山線」のこと。その沿線にある、京都市右京区太秦の東映京都撮影所とその周辺で、本作は撮影されている。

そもそも嵐電沿線自体が、実は映画と馴染み深い。いまは東映と松竹のみだが、かつては東宝や日活などの撮影所も存在。撮影所が集中していたことから、多くの映画俳優やスタッフが嵐電を利用して撮影所に向かったという。

また、戦後、日本映画が世界的な注目を集めるきっかけになった黒澤明監督の『羅生門』(1950年)や溝口健二監督の『雨月物語』(1953年)は、かつて嵐電沿いにあった大映撮影所から生まれている。

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最終更新:5/24(金) 11:02
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