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タクシーも優勢 日産のタクシー車両がトヨタ「JPN TAXI」にかなわない理由とは

5/25(土) 9:30配信

くるまのニュース

タクシー業界におけるトヨタと日産の戦い

 最近、東京を中心に四角く黒いワゴンタイプのタクシーを見かけることが増えてきました。これは、トヨタが2017年10月に発売した「JPN TAXI」というクルマで、2020年東京オリンピック・パラリンピックに向けて導入されたタクシー専用車両です。

大幅改善された「JPN TAXI」や日産「NV200 タクシー」の画像を見る(18枚)

 また、日産でもタクシー専用車両の「NV200 タクシー」を2010年から販売していますが、街中ではトヨタ「JPN TAXI」の方が見かける機会が多いです。なぜトヨタの方がタクシー業界で多く採用されているのでしょうか。

 トヨタは、2015年・2020年、そして2024年までのオリンピック・パラリンピックのワールドワイドオリンピックパートナー契約をIOC/IPC(国際オリンピック委員会/国際パラリンピック委員会)と結びました。トヨタは自動車事業のため、主にモビリティの面からイベントをサポートしています。

 オリンピック関連事業の1つとして新型タクシー車両の開発を行うことで、環境問題やバリアフリー問題にフォーカスして国際的に通用する、「世界に誇れる」クオリティのモビリティを提供することに注力しているというわけです。

 そのためには、従来タクシーの定番車として販売されていた「クラウンコンフォート/コンフォート」では環境面や利便性がクリアできなくなることから、「JPN TAXI」は次世代タクシーとして登場しました。

 トヨタのタクシー向け車両としては、この「JPN TAXI」が約20年ぶりの新型車。開発にあたって、タクシー会社やタクシードライバーからの意見を反映したことでも注目された1台です。

 一方で、日産でも2010年に小型商用車「NV200バネット」をベースにした「NV200 タクシー」を発売しています。2014年に旧型のタクシー用車両「セドリック」の生産を終了したことや、ニューヨークでタクシーの次世代標準機種に選出されたことにより、徐々に日本国内のタクシー市場でも普及し始めました。

 現在、国内タクシー会社の車両はトヨタが約9割を占めています。トヨタが一強となった理由には、90年代のバブル崩壊が要因といわれています。

 90年代に入るまでは日産がタクシー車両を独占し、シェアの約8割を占めていました。しかし、バブルの崩壊とともに日産の営業利益が落ち込み、タクシー事業から撤退せざるを得なくなったのです。

 タクシー車両について、大手タクシー会社は次のように説明しています。

「国内のタクシー市場でトヨタのシェアが高いのには、単純にメーカーのバックアップが強い以外にも、乗務員側の慣れやイメージの問題もあるかと思います。ここ数十年のタクシーといえばトヨタ『コンフォート』が代名詞でした。

 その後、ハイブリッド車の『プリウス』や新しいタクシー専用車両として『JPN TAXI』が登場するなど、常にトヨタ車がタクシー業界に定着しています。そのため、いまのタクシー業界には『タクシー=トヨタ車』というイメージがあるのかも知れません。

 また、『JPN TAXI』は登場後に車椅子の積載問題などもありましたが、改善パーツの無償配布や改良車両の登場など改善方法に関して細かな対応をしていることも信頼というイメージに繋がっています」

※ ※ ※

 タクシー業界やユーザーからの反響に対して、トヨタ「JPN TAXI」のチーフエンジニア・粥川 宏氏は「日本のタクシー業界を衰退させず、進化させるためにも、クルマ自体の悪い部分を改善し、乗務員の教育など全体で努力していくことが重要です」と述べています。

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最終更新:5/25(土) 14:23
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