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セットアップを大幅変更が奏功も、ポールに届かなかった有力候補たち『トムス鉄板』の優勝予想を打ち破れるか《GT500予選あと読み》

5/26(日) 9:05配信

オートスポーツweb

 レクサス&トムスのワン・ツーとなったスーパーGT第3戦鈴鹿。高気圧に見舞われ気温31℃、路面温度は48℃とまさに真夏日のコンディションで開催されたことで、多くのチーム、ドライバーがセットアップに悩まされながら予選を迎えることになった。

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 ポールポジションを獲得した36号車au TOM’S LC500は東條力エンジニアが「ウエイトハンデ(WH)が軽いからね」と、15台中もっとも軽い2kgのWHを理由に挙げるが、当然、それだけが原因ではない。

 この高気温のコンディションに適したタイヤ選択で「持ち込んだタイヤのなかでもソフトを選んでいて、もうワンランク硬めのタイヤもあるので明日の決勝も大丈夫だと思います」と東條エンジニア。クルマが好調でタイヤ選択も万全となれば、決勝に向けて、もはや死角は見当たらない。

 2番手37号車KeePer TOM'S LC500(WH8kg)の平川亮は、わずか0.013秒及ばなかった同じチームの36号車auとの差に「悔しいです。僕らの方がウエイトハンデを積んでいるので(WH8kg)、その差ですかね。午前のフリー走行でクルマの調子が良くなくて、午後に向けて大きく変えまして、それが本当にうまく機能しました」と予選を振り返る平川。ウォームアップでは16号車MOTUL MUGEN NSX-GTに引っかかるシーンも見られたが「その影響はほとんどないですね」と、平川は2番手にも複雑な表情を見せた。

 3番手の8号車ARTA NSX-GTの伊沢拓也は「Q1で野尻(智紀)選手がトップだったので、僕が3番手になってしまったのはちょっと残念ではありますが、ホンダのなかでもトップですし、全体的には非常に良かった予選でした」と予選を振り返る。伊沢にとっては、今回の予選結果は意外だったようだ。

「午前中の感触からも、ここまで上位で争えるとは思っていなかったので、心の準備はまったくしていませんでした。野尻選手がQ1でトップタイムを出して『何してくれるんだ!』とドキドキしてしまいました(苦笑)。午前中はとにかくクルマのグリップがなくて、セットアップは結構大きく変えました。冬のテストからここまで進めてきたものから、どちらかというと去年良かったものに戻したイメージです」と、チームのセットアップ変更に感謝する。

 「Q2の時に気温が落ちた影響もあると思いますけど、クルマの嫌な部分が出てしまったんですけど、それを含めてワンラップで決めなければいけないので、今日は最低限の仕事はできたかなと思います」と伊沢。

 決勝に向けては「明日はタイヤの保ちというよりも、ピックアップが出るか出ないか、僕にとってはそれがすべてですね」と、まずはコンディション、そして自分たちのクルマとの戦いとなることを強調した。

 一方、予選4番手ながら、戦前の期待から外れる結果になってしまったのが今回、大本命と見られていたカルソニック IMPUL GT-Rだ。Q2を担当した佐々木大樹が振り返る。

■悩めるニッサンGT-R勢、優勝候補のKEIHINは痛恨のミスでQ2低迷……トムスはこのまま逃げ切るのか?

「今週、気温が想定以上に高くなったからか、GT-R全体にとって厳しい状況になったと思います。4台のうち3台がQ1で落ちてしまって、ウチもギリギリQ2に残れたような状況でした。クルマのフィーリングが何かこれまでのテストの時と違っていて、GT-Rのパフォーマンスを出し切れなかったと思っていますが、その原因がどの部分なのかは正直、まだよく分かっていません。逆にレクサス陣営はクルマなのかエンジン面なのか、この気温にうまく合わせ込めていたような印象がありますよね」と、苦労した1日を話す佐々木。

「アタック自体はQ1でジェームス(ロシター)が8番手だったので、上位を狙うにはポテンシャルは厳しいことは分かっていました。そのなかでも少しでもポジションを上げるにはかなりプッシュしないといけないと思っていたので、デグナーでも少しジャンプするくらいプッシュしたので、ロスした部分も少しありますが、8番手から4番手に上がれたのはポジティブだったかなと思います。明日はまた走ってみないとわかりませんが、ウチはレースに向けてのタイヤ選択には手応えがあります。これまで2戦はいいレースができていないので、明日はベストを尽くしていいレースができるようにしたいですね」と決勝への自信を見せた。

 また、WHが12kgで優勝候補の1台に挙げられていたKEIHIN NSX-GTはQ2を担当したベルトラン・バゲットがセクター4のシケインでミスをしてしまい、Q2最下位の8番手となってしまった。Q1を担当した塚越広大が振り返る。

「朝のセッションからクルマのバランスをいろいろ調整していくなかで、午前中は思うようにタイムが伸びなかったのでセットアップを変えてQ1は僕が担当しましたが、クルマの方向は良くなりました。バゲットのミスがなければ、クルマはトップ2台までは行けなかったですけど、8号車と同じかその前、3番手くらいのパフォーマンスはあったと思います」と、悔しがる塚越。

「明日は少し後ろからのレースになるので難しいですけど、タイヤマネジメントがポイントになると思いますので、しっかりと最後まで攻められるクルマに仕上げたいと思います」と決勝に向けての抱負を語った。

 今回の予選上位陣の傾向を見ると、37号車KeePer、そして8号車ARTA、そして17号車KEIHINに共通しているのは、今年進めてきた持ち込みのセットアップをフリー走行で見切りを付けて、大きく変えた点だ。予想以上の高気温になったことを受けて、午前中を終えて午後の予選に向けて、大胆にクルマを変えてそれがコンディションにマッチさせたところが今回の予選の好結果につながったといえる。

 クルマのセットアップの感触と選択したタイヤを考慮すると、トムスの2台は鉄板ともいえ、3番手以下から抜きんでている状態に見える。このまま決勝もトムスのチーム内バトルで展開するのか、それとも3番手以下で躍進するチームが出てくるのか。これまでの2戦が雨絡みであまりに順位変動の大きいレース展開だっただけに、予選日と同様のドライコンディションが濃厚の決勝日、果たしてトムスがそのまますんなりとフィニッシュするのか、悩ましいところだ。

[オートスポーツweb ]

最終更新:5/26(日) 9:29
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