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「時短」運動会にも 種目減、午前で終了

5/27(月) 8:06配信

熊本日日新聞

 全国的に記録的な暑さとなった25、26日、熊本市の大半の小学校で運動会が開かれた。そんな中、午前中で終了する「時短運動会」が少しずつ広がっている。暑さをしのげたのはもちろん、児童や保護者の負担減、授業時間数の確保などにも役立っている。

 25日、熊本市南区近見の日吉小であった運動会。「今年の優勝は赤団です」。閉会式で児童代表が発表すると、大きな歓声が上がった。午前8時15分に始まった運動会も、終わったのは午前11時45分。弁当の時間はなく、正午を過ぎると保護者らの姿はまばらになった。

 この日の同市の最高気温は32・4度。「午後まで続けていたら、熱中症で体調を崩す子どもがたくさん出たかもしれない」と松嶋敏一校長(57)。

 同小は2016年度から、運動会を午前中に終えるように変更。準備に時間がかかる技巧走やPTAの競技などを取りやめ、15年度に24あった種目数は15に減少。開催時間も以前より3時間ほど短くした。この日も玉入れや綱引きといった団体競技に別の種目だったダンスも盛り込み、時短につなげていた。

 時短化のきっかけは16年4月の熊本地震。同小は地盤が液状化する被害などで休校が続き、練習時間が確保できなかった。その際、「被災した子どもや保護者も多く、規模を縮小して負担を減らそう」という声が上がったという。翌年以降は外国語活動(英語)の授業時間の捻出が必要となり、時短運動会を継続。練習時間を圧縮させたまま、浮いた時間を英語の授業などに充てた。

 全体練習の時間は他校の半分ほどで済むなど、教員の働き方改革にもつながっている。体育主任の溜渕[たまりぶち]利明教諭(46)は「種目が減った分、気持ちに余裕を持って指導できる。今年は10連休の影響で特に時間の確保が難しく、今の方法でもきついくらい」と話す。

 一方で単純に種目を減らすのではなく、児童や保護者が満足できるよう知恵も絞る。例えば、徒競走では子どもが走る前に一人一人の名前を放送で読み上げるのが慣例。時間はかかるが、保護者に喜んでもらうために続けている。技巧走も「最後の思い出作り」として、6年のみ残した。

 保護者の反応は「早朝の弁当作りや場所取りは負担が大きく、助かる」「特に低学年の子どもは、午後まで続くと大変だからいい」とおおむね好評だが、中には「祖父母も来て一緒に弁当を食べていたのに、だんらんの時間がなくなって寂しい」との意見も。

 同小PTA会長の橋口健二さん(37)は「価値観は人それぞれ。ただ強い反対の声はなく、時代に合ったやり方だと思っている」と話す。

 時短運動会は、札幌市や名古屋市など全国でも広がっている。松嶋校長は「わが校のほかにも同様の理由で複数の学校で実施されているようだ」と話している。(臼杵大介)

最終更新:5/27(月) 8:06
熊本日日新聞

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