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モンパチ、200万枚売ってもインディーズ貫く理由 音楽業界への本音、映画「小さな恋のうた」が描く日常

5/27(月) 7:00配信

withnews

昨年結成20周年を迎えた沖縄のロックバンドMONGOL800(モンパチ)の、最も広く知られる歌が映画になりました。24日に公開された映画「小さな恋のうた」は、ロックバンドをめぐる高校生たちの物語を通して、リアルな沖縄を描きます。今もインディーズで活動を続けるモンパチ。シングル曲を出さない理由、そして「9.11」の夜に起きたこと……。映画を通して見えた沖縄について、ボーカル&ベースの上江洌清作(うえずきよさく)さんと、脚本家の平田研也さんに聞きました。(朝日新聞文化くらし報道部 坂本真子記者)

【写真】名曲「小さな恋のうた」が映画化、劇中に見つけたメンバーの姿

インディーズ初のオリコン1位

「映画のタイトルは入り口としていいんじゃないですか。良くも悪くも期待を裏切るというか、してやったりというか」と、上江洌さん。

「小さな恋のうた」は、モンパチが2001年に出した2枚目のアルバム「MESSAGE」に収録された楽曲です。作詞は上江洌さん。「ほら/あなたにとって/大事な人ほど/すぐそばにいるの……」という歌詞には多くの人が共感し、カラオケでよく歌われました。

アルバム「MESSAGE」は、収録曲の「あなたに」がテレビCMに使われたことをきっかけに口コミで人気が拡大。インディーズで初めて200万枚以上売れる大ヒットになり、オリコンチャートの1位を記録しました。

映画の企画が生まれたのは約8年前。上江洌さんの友人の映像プロデューサーが中心になり、「MESSAGE」の全14曲について、1曲ずつ違うテーマで沖縄を描く短編映画を作ろうとしたのが始まりでした。この企画に参加した平田さんは奈良県出身。沖縄のことを知ろうと、何度も上江洌さんを訪ねて話を聞きました。

「基地があるってこういうことなんだ」

最も印象に残っているのは、「9.11」のときの話だと、平田さんは言います。

2001年当時、大学生だった上江洌さんは、友人の誕生日を居酒屋で祝っていたそうです。すると、ニューヨークの世界貿易センタービルに飛行機が突入する様子がテレビに映りました。

「近くの米軍基地でサイレンが鳴り出して、厳戒態勢みたいになって、誕生会はそこで中止。それどころじゃない、帰りましょう、と。9.11の後は観光が冷え込んで、一気にキャンセル。その数年後には、大学に米軍ヘリが落ちたし」

上江洌さんにとって米軍基地はずっと身近な存在だったそうです。

「子どもの頃は、カーニバルがあると、よく基地の中に行きましたからね。バンドを始めてからは、よくライブに来てくれる米兵とたまたま仲良くなって、一緒にご飯食べることにして、せっかくだから寿司かなぁ、と。回転寿司で最初に彼が取ったのがチキンバスケットだった、ということもあった。実際に自分の身の回りで起きたこと、日常的な沖縄の雰囲気について話しましたね」

平田さんは「基地があるってこういうことなんだ、それぐらい身近なんだということを最初に教えてもらいました」。

それからも取材を重ね、最終的に今回の映画が決まりました。

映画の舞台は、米軍基地がある沖縄の町。平田さんは、脚本のこだわりを次のように語ります。

「どこにでもある普通の暮らし。その中に当たり前のように(米軍基地の)フェンスがある。何か特別なメッセージがあるわけではなくて、どこの地方にもいるような高校生たちの、言葉にできない衝動を感じてほしいですね。それを入り口に沖縄のリアルな姿を知ってもらえれば」

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最終更新:5/27(月) 7:00
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