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ドラマ“逃げ恥”の制作会社も「令和の倒産」大都市で急増中

5/27(月) 9:26配信

日刊ゲンダイDIGITAL

 令和の時代になって、もうすぐ1カ月が過ぎようとしている。GWは改元の経済効果に沸いていたが、そろそろ息切れ気味だ。20日に発表された2019年1-3月期の実質GDP(国内総生産)はプラス2・1%(年率換算)だったが、その実態は「輸入」の大幅な落ち込みによる統計のカラクリみたいなもの。実感はまるでともなっていない。

■浮かびあがる倒産の共通項

「令和の倒産」に関する不気味な声も聞こえてきた。調査会社の東京商工リサーチがまとめた5月以降の大型倒産(注目企業や負債総額30億円以上)をみると、ある共通項が浮かびあがってくるというのだ。

 5月の大型倒産はテレビドラマ「逃げるは恥だが役に立つ」や「三匹のおっさん」などを制作したイメージフィールド(東京都)、かまぼこ製造で有名な美濃屋吉兵衛商店(神奈川県)など。そのほか、CDショップ経営、太陽光発電システム販売、ソーシャルゲーム制作……業種はさまざまだが、どの会社も本社は東京都、神奈川県、埼玉県と首都圏にある。

■神奈川県4月は前年同月比88%増

 大都市に企業は集まっているから倒産が集中するのも当然――と思いがちだが、コトはそう単純ではない。

「平成最後となった4月の倒産動向をみると、件数ベースでは0・7%減でした。ただ、都道府県別では5カ月ぶりに『増加』が『減少』を上回りました。しかも大都市に『増加』が多かったのです」(東京商工リサーチ情報本部の増田和史氏)

 増加率(4月)は神奈川県が88・0%、埼玉県14・8%、兵庫県12・1%、福岡県11・5%、大坂府4・6%、東京都1・6%。全体の倒産件数が減少しているなか、大都市を中心に倒産が急増したのは間違いない。

 令和に変わった5月をみても(26日まで)、大都市の倒産増加に歯止めはかかっていない。

「4月の業種別倒産動向は運輸業(15・3%増)、外食などのサービス業(13・6%増)の増加が目立ちました。これらの業種は都市に多い産業だけに、倒産も都市に集中しているのかもしれません」(増田和史氏)

■従業員10人未満の倒産も急増

 もう1つ見逃せないのが従業員10人未満の倒産が増加している点。昨年4月に比べ、今年4月は3・8%増加した。東京商工リサーチは「今後の見通し」を次のように分析している。

「企業の将来性などで取引を判断する『事業性評価』が本格的に動きだしており、今後は金融機関の取引姿勢の動向にも注視をおこたれなくなっている」。銀行もマイナス金利の影響で業績は悪化傾向。経営が傾いた中小・零細企業の返済を猶予する余裕はなくなっている。体力の衰えた従業員10人未満の〝小さな会社〟が倒産する理由のひとつだ。

 この先も、零細企業がバタバタと倒れていく危険性は高い。そして大都市からジワジワと倒産が広がっていく。令和の倒産激増が近づきつつある。

最終更新:5/27(月) 9:26
日刊ゲンダイDIGITAL

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