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”女”である私の幸せって…?「子どもを産まない」人生を想像してみる。

5/27(月) 11:30配信

ファンファン福岡

 20代の頃、確かに私は「専業主婦にはならない」と思っていました。男に頼らず、自分の力で生きていける女になるのだ!と。

 産休・育休が保証されている公務員でもない限り、仕事か子育てか、まだどちらかを選ばなければならない時代でした。「それならば仕事だ」と、私はそう思っていたのでした。

 「DINKS(ディンクス)=ダブルインカムノーキッズ」(夫婦共働きで子どもなし)という言葉がはやり、「産まない方がカッコイイ」という風潮が広がっていたのは、その少し前です。

 しかし、この数年で世の中の空気は急速に変わりました。

 子どもを出産したテレビタレントがすぐに仕事復帰し、ベビー服ブランドを立ち上げるなど、仕事も子どもも両方手に入れる人生を見せ始めた。出産がむしろキャリアアップにつながる時代。

 国は少子化対策に力を入れ、子どもを産まない女性は何となく肩身が狭い。出産のリミットに差し掛かっている30代の心は複雑です。

 仕事が大事という気持ちは変わらないけれども、世の中の風潮に後押しされ、私が出産を意識し始めたのは、30歳を過ぎた頃からでしょうか。

 しかし、2ヵ月前に受けたAMH(卵巣年齢)検査でリミットがかなり間近に差し迫っていることを知ることに。その結果を手にして、「私はこのまま子どもを産まないかもしれない」と思いました。

 その人生は、どんなものか?リミットが近づいて初めてリアルに考える、「未産」という生き方。それは「不幸」な人生だろうか?

安藤美姫選手が言いました。

「出産を決断したのは、女性としての幸せを手にしたいと思ったから」

 妊娠・出産は「女性の幸せ」と言われることが多い。それは、妊娠・出産が女性にしか経験できないことだからです。でも、その言葉を聞くたびに、妊娠・出産を経験していない人は、女性として不幸だと言われているような気になってしまう。

 出産は、個人が望み努力して手に入れられる域を超えている。だから、「もたない」あるいは「もてない」女性は苦しいし、まわりは腫れ物に触るようにそのことには触れない。

 ノンフィクション作家・衿野未矢さんの『「子供を産まない」という選択』を読みました。

 35歳で結婚、その後5年で離婚を経験された衿野さんは、ご自身が子どもを産まなかったことを振り返りながら、多くの「未産」女性に取材をしています。

 例えば、こんな女性のエピソードがありました。

 「働きやすい会社ベスト30」に選ばれたことのある会社で働いている46歳の独身女性。同じ職場の30代前半の後輩が出産して育児休暇をとった。

 育休中の後輩の分まで彼女の仕事は増えた。コンビニのおにぎりをかじりながら、夜、家で一人で仕事をする。
「後輩は今頃赤ちゃんと添い寝しているんだ」と想像したら泣きたくなった。

 濃密な育児期間を経て、キラキラした目で復帰してきた後輩。まわりはそれを祝福と賞賛の言葉で迎えた。女性は、今まで頑張ってきた12年間がむなしくなり、会社を辞めた。

 「はっきり言って、私は後輩に嫉妬しているんです」と彼女は認めています。でも、わかっていても、その呪縛から逃れることは難しい。出産後も働く女性が増える一方で、このような苦しみを経験する女性も多くなるのではないでしょうか。

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最終更新:5/27(月) 11:30
ファンファン福岡

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