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会議で消極的な人に発言をうながす効果的な合図とは?

5/27(月) 14:22配信

サイエンスポータル

 会社員にとって、会議というのは困ったものだ。そこで討議のうえ決定に至る会議ならともかく、たんなる「情報共有」や、とくに差し迫った議題もなく定例的な顔合わせが目的の会議もある。自分の仕事は前に進まず、時間の浪費ばかりが気になる。今年4月21日付の朝日新聞朝刊は、業績が好調な企業では「意思決定する会議」が多く、下降している企業では「情報共有の会議」が多いと指摘していた。

 東京都市大学の市野順子(いちの じゅんこ)教授らのグループは、会議を効率よく実りあるものにするための支援にコンピューターを使う方法を研究している。市野さんらがこのほど発表した論文で取り上げたのは、会議に出ているみんなから意見を引き出すには、どういう合図を参加者に送ればよいかというテーマだ。

 せっかくの会議なのだから、参加者の知恵をたくさん集められたほうがよい。座って聞いているだけという参加者が多い会議は、もったいない。だからといって、「合図」を送ったために討議が中断されてしまうのも困る。みんなが前向きに参加することをうながす合図は、だれに向かってどのように送るべきなのか。

 市野さんらは、協力してくれた企業の本物の会議を使って、こんな実験をしてみた。その会議は、責任者がみんなの前でなにかを決定するというタイプのものではなく、広く参加者から意見を募るブレーンストーミングの会議。参加者は4~5人で、もちろん会社の同僚だからお互いを知っている。かれらに、「社員が健康で生産的に働けるように支援する方法」をテーマに、1回につき40分の話し合いをしてもらった。これを計16回にわたって繰り返した。

 参加者の椅子の座面には振動装置が組み込んである。これを震わせて、参加者に合図を送る。今回の実験では、「どういう場合に信号を送るか」「どういう方法で信号を送るか」という二つの側面のうち、後者にスポットをあてた。前者についても、人工知能の利用などで自動化できる可能性はあるが、今回の実験では、信号を送るタイミングの判断はプロの司会者に任せた。「会議を円滑に効率よく進めるには、そろそろ別の人が発言したほうがよい」「なにか言いたそうな参加者がいるな」と司会者が判断したとき、座面を震わす。ただし、司会者は別室で会議を観察していて、会議の参加者には司会者の存在は知らせていない。

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最終更新:5/27(月) 14:22
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