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「奇跡の一本松」魂響く 岡山・総社で演奏会 被災木材のバイオリン奏でる

5/27(月) 9:20配信

山陽新聞デジタル

 東日本大震災で津波に耐えた岩手県陸前高田市の「奇跡の一本松」など、被災した木材を使って制作した「TSUNAMIバイオリン」によるコンサートが26日、西日本豪雨による浸水とアルミ工場爆発の被害を受けた岡山県総社市下原地区で開かれた。集まった被災住民らは震災と豪雨の二つの災害を重ねながら、優雅な音色に静かに耳を傾けた。

 同バイオリンは、バイオリン職人中沢宗幸さん(78)=東京=が2013年に制作。表板と裏板をつないで楽器を響かせる「魂柱」と呼ばれる部分に奇跡の一本松が使われ、裏板には一本松が描かれている。国内外の音楽家が使用しており、この日は中沢さんと同地区を訪れたバイオリニストの妻きみ子さんが演奏した。

 会場となった下原公会堂向かいの倉庫に、約130人が来場。中沢さんが「東日本だけでなく全国の被災地の思いを世界に届け続けたい」と話し、きみ子さんが「ツィゴイネルワイゼン」「埴生の宿」などを情感を込めて奏でた。

 「(高梁川を見て)普段は静かな川が、魔の川に変わることを実感させられた」ときみ子さん。「自然は時に厳しいが、共生しなければならない。自然に対する畏敬の念を忘れないようにしなければ」と訴えた。

 演奏を聴いた女性(69)=同市=は「一本松の命を分けてもらったような気になった。復興への活力にしたい」と話していた。

 中沢さんらは、千人の演奏家にリレーで奏でてもらうプロジェクトを進めており、コンサートはその一環。同地区の墨彩画家枝松国明さん(92)を通じて実現した。

最終更新:5/27(月) 9:20
山陽新聞デジタル

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