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消えた1台が約50年の時を経て再び姿を現す│知られざるガンディーニの作品

5/29(水) 11:50配信

octane.jp

毎年、イタリアのコモ湖畔で開催されるコンコルソ・デレガンツァ・ヴィラ・デステは世界で開催されるコンクールの中でも、トップレベルの車が集められる。美しい景色のもとに、歴史を象徴してきた芸術品が並ぶのだ。

消えた1台が約50年の時を経て再び姿を現す│知られざるガンディーニの作品(写真18点)

フェラーリ 512 S モデューロやランボルギーニ マルツァル、アルファロメオ 8C 2900Bなどが姿を現す中で、特に注目される1台があった。それは、BMW ガルミッシュだ。独特なスタイリングは、ベルト―ネ時代のマルチェロ・ガンディーニによって手掛けられ1970年のジュネーヴモーターショーに展示された。しかし、その後すぐにどこかへ姿を消してしまったという。唯一残っていた、ドキュメントを参考にしながらBMWクラシックはガルミッシュを復刻させたのだ。

ライトシャンパンメタリックカラーのボディは、1970年当時流行っていたものだと推測される。このプロジェクトにはガンディーニも貢献し、3Dプリンターを用いながらオリジナルの素材や形状の再現を可能にした。製造はオリジナル同様に、ハンドメイドでトリノにて行われた。

BMW グループデザインの副代表を務めるアドリアン・ホーイドークは、“マルチェロ・ガンディーニは私にとってカーデザインの師です。常に、私のデザインへインスピレーションを与えています。ガルミッシュを復刻することは、ガンディーニへの尊敬も込めたものです。あまり知られていない車ですが、ベルト―ネの要素が落とし込まれているBMWの革新的な1台でもあります”とコメント。彼は、はじめてガルミッシュを写真で見た時から、非常に強い興味を抱いていたという。

ガルミッシュは、ダイナミックで刺激的なミドサイズのクーペを造ることをガンディーニが求めて生まれた。Cピラーはスポーツカーを意識したデザインで、リアウィンドウにはハチの巣パターンのメッシュが備えられている。グリルデザインも、ガンディーニならではのユニークなデザインだ。

わずか数か月で造られたにも関わらず、インテリアもオリジナルのものが細かく再現されている。センターコンソールには縦型のラジオ、助手席にはミラーが備えられている。グラマラスな見た目にするために付けられたものだ。

ガルミッシュという名前は、1970年代にイタリアではスキーが流行っており、アルプス山脈の美しさやウィンタースポーツへの夢にインスパイアされたものだとガンディーニはコメント。また、様々なスタイルのショーカーが当時のイタリアでは誕生していたが、ガルミッシュはベルト―ネのクリエイティビティを象徴するため、デザイナーたちに新たな刺激を与えるために製造したという。

ホーイドークは以下のようにコメント。“ヴィラ・デステでは、過去のことに目を向ける必要があります。しかし、話すべきなのはどこに私たちが向かおうとしているかということです。ガンディーニのデザインは常に鮮明で洗練されています。そして、ドラマティックでもあるのです。彼は、少ない材料で新たなデザイン要素を生み出します。このアプローチの仕方は、現代においても学ぶべきことでしょう”

Octane Japan 編集部

最終更新:5/29(水) 11:50
octane.jp

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