「こんな事件を起こすのは○○人に違いない」などと、出自と犯罪を結びつけて一般化することは、明確な差別だ。
外国人差別などに詳しいジャーナリストの安田浩一さんは5月29日、参議院議員会館で開かれた「ヘイトスピーチ対策法」施行から3年となったことを受けたシンポジウムで以下のように語り、日本社会に潜む民族差別の存在を指摘した。
「容疑者の身元が確認されるまでの間、ネットにはどんなことが流れたのか。
犯人は外国人に違いない、川崎だから在日コリアンが多いからおそらく在日だろう、名前が発表されないのは何らかのの忖度があるなーー。
ふざけるな、という気持ちでいっぱいになりました。凶悪事件が起きるたびに、ヘイトにまみれたデマが流布され、信じる人がそれを広げる。
多くの場合には全くマイノリティが関係ない場合が多いにもかかわらず、何度なんども繰り返されている」
ヘイトスピーチ対策法は、2016年6月に施行された。
「本邦外出身者に対する不当な差別的言動」を防ぐことを目的にしているが、具体的な罰則などが規定されていないこともあり、現状が改善されたとは言い難い。
安田さんも、「施行以降もヘイトスピーチが野放しになっている。法律の実効性を考えないといけない」とも語った。
ヘイトスピーチ問題に詳しい師岡康子弁護士も、シンポジウムで川崎の事件のようなケースに言及した。
「対策法で『啓発活動を行う』としているのだから、今回のように特定の民族と犯罪を結びつけることそのものがヘイトスピーチであると、政府が言うべきではないでしょうか。デマが広がっているのであれば、それを指摘するべきです」
そのうえで、この3年間でヘイトデモが半減したり、民事裁判で差別的言動に対する慰謝料が支払われやすくなったという効果も生まれているとしながら、理念法ゆえの「対策法には限界がある」とも述べた。
今年4月には入管法も改正され、今後は在留外国人がよりいっそう増えることになる。
師岡弁護士はその点にも触れながら、「禁止規定や罰則規定、さらに救済措置などを含めた人種差別禁止法の必要性が明確となっているのではないか」と語った。
最終更新:2019/5/29(水) 21:16
BuzzFeed Japan


























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