ここから本文です

「あの人が言うことなら信じよう」という書き手がプロ 『自炊力』が人気のフードライター白央さんが大事にしていること(4)

5/30(木) 11:02配信

BuzzFeed Japan

記者(岩永)が、『自炊力』が人気のフードライター、白央篤司さんに行きつけの広島地酒の店「ほじゃひ」に連れていってもらって、根掘り葉掘り聞いたこのインタビュー連載も最終回。

いよいよ締めのお好み焼きを焼いてもらいながら、誰もが発信できる時代にプロとして書くことの意味へと話が広がっていきました。
【BuzzFeed Japan Medical / 岩永直子】

いよいよ締めへ 「広島焼き」は禁句!

ーーそろそろ広島焼き行きますか。

あ! それはNGワードですよ(笑)。

(※広島県出身者は、広島のお好み焼きが真のお好み焼きという自負があるので、「広島焼き」という言葉を認めていない)

ーーすみません。意識せずに言ってしまった。

(店主の疋田さん「東京でそんなことにいちいち反応していたらキリがないから気にしていませんよ」)

ーー本当にすみません。広島のお好み焼きは、薄いクレープ状の生地を焼いて、間にキャベツを挟んでいきますね。

(疋田さん「広島のお好み焼きはキャベツが主役なんです」)

ーーキャベツが主役というのはいいですよね。粉もんというと粉が主役と思ってしまいますが。広島出身のうちのうるさい同僚からすると肉玉うどんで頼むらしいですが、どうしましょう?

僕は肉玉でそばがいいなあ、観音ねぎトッピングでお願いします。

読者が喜んでくれるものを書く

ーー白央さんのご両親は転勤族ということでしたけれども、新潟生まれなんですか?

僕は東京生まれなんですけれども、4ヶ月だけいて、その後、兵庫県に行って、宮城県に行って、埼玉県に行きました。埼玉では川越に6年住みました、地域性がしっかりあるところでしたねえ。お祭りがあって、昔ながらの街並みがあって。ウナギ屋さんが多くてね。

僕が住んでた頃はまち中に日本酒の蔵があってね。冬の朝にお米蒸して、蒸気が蔵からブワーッと出てくるのを見るのが好きだったなあ。情緒がありました。今もいろいろ面白い飲食店ありますよ。

ーー郷土料理は白央さんの重要なテーマの一つですけれども、それだけではないですね。記事を出す時にテーマはどうやって決めているんですか?

毎日料理してる中で、ふとひらめいた料理だったり素材の組み合わせだったりが「あ、これネタになるな」ってことが多いですかね。もずくとトマトが安かった日があって、「これスープにしたらおいしいな。どっちも安かったし、記事になりそう」とかね。

自分が疑問に思ったことをまずツイッターで発信してアンケートとる、って流れが最近は多いですね。

たとえば「日々の食事で面倒なことって、あなたの場合はなんですか?」とか「レシピを読んでて分かりにくいと思うポイント、どんなところですか?」とか。

そうするといろんな答えが返ってくるんです、本当に。そこでこっちもいろいろ気づくことがあって、記事に活かせますね。フォロワーさんのおかげです。

「私は本当はこういうことがやりたいんです!」と、あんまり求められていないことを頑張ると、人は離れていくんだなと思っています。

だから、私は読者が喜んでくださるものをもっと考えなくちゃなと思っています。

ーーそこで自分の書きたいものとのせめぎ合いみたいなものは感じませんか?

全然ないですね。うーん、自嘲的に使われる言葉ですが「売文芸者」なんて言葉ありますよね。

侮蔑的な言葉ですけど、私、書き手としてプロの芸者になれたら最高じゃねえかと思ってるんですね。あはは、言葉も乱れてきましたが(5杯目)。

ーーなんとなくわかります。この前私も、Twitterでお医者さんに「岩永もブン屋だったか。がっかり」みたいなことをつぶやかれたんです。でも、「ブン屋」という言葉は、私は褒め言葉として聞いちゃうんです。別に高尚な仕事ではなく、記事を読んでもらってナンボの泥臭い仕事なんだよという矜持ですね。

いいっすねえ、ブン屋。岩永さん、お酒空いてますよ。疋田さん、「雨後の月」もう1杯お願いします!

1/4ページ

最終更新:5/30(木) 11:02
BuzzFeed Japan

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事