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ミュージシャンだってきれいな空気で演奏したい 肺がんを経験したアマチュアギタリストが作る煙らないライブハウスのサイト

5/31(金) 11:01配信

BuzzFeed Japan

サイト開設直後 自身も初期の肺がんで手術

COPDになったそのギタリストにもインタビューをして、禁煙に踏み切った店にもインタビューをしてーー。

そんな計画をたてて、サイトを充実させようとしていた2018年10月の下旬、自覚症状は全くなかったのに、健康診断で肺に影があることがわかった。

初期の肺がんだった。驚いた。12月はじめには肺の4分の1を切除する手術を受けた。

「皮肉なもんだなと思いました。COPDになったギタリストを外から見ているつもりだったのに、自分も病気になった人の輪の中に入った。親が喫煙者だったとはいえ、私のがんは受動喫煙と関係ないと思いますが、再発リスクを上げないためにも、煙のある場所には出入りをしないという気持ちを強くしました」

ただ、自分の自宅がある藤沢市の近くに、安心していける店がない。

「手術後は全くライブスポットに足を踏み入れていません。ミュージシャン仲間でも『あそこ禁煙だから、あそこで演奏したいな』と希望している人は増えているのに、まだどこにでも禁煙店があるというわけではない」

最近、Twitterで、受動喫煙で喘息になったというあるクラブDJが、喫煙可のクラブではイベントはできないと店のオーナーに断ったところ、「俺も自分の店の受動喫煙で喘息になったが、常連客が怒るから禁煙にできない」と返されたとつぶやいているのも見かけた。

「ライブハウスよりもクラブがこれからは問題になってくると思います。欧米では禁煙に踏み切ってかえって売り上げが上がったハコもあると聞きました。若い世代ではたばこを吸わない人が増えていますから、新しい客が来やすくなるような工夫が必要だと思うんです」

広げていくにはどうしたら? 同じ志の人と連携を

そんな気持ちで情報収集をしている時に、Twitterで完全禁煙の店の検索サイト「ケムラン(https://quemlin.com/)」を紹介する記事を見かけて、引用リツイートをしてくれたのが、今回の取材のきっかけだった。

「ケムランのことは記事は初めて知りました。自分は仕事に追われてなかなか取材記事を書けませんでしたし、肺がんで療養生活にも入ってしまって、一人での運営に行き詰まりを感じていました。飲食店というくくりでやる方が需要は大きいでしょうから、こういう方法があるのかと感心しました」

「私のサイトも、持続可能とするために誰かに委ねた方がいいのかと悩んでいました。同じ思いを持っている人と連携ができたらと思うんです」

このサイトを今後どのように運営していくかは決めていない。

ただ、音楽を愛する一人として、そして、呼吸器のがんを経験した一人として、演奏者も観客も気持ちよく居られる場所作りに貢献できたら。そう願っている。

岩永直子

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最終更新:5/31(金) 11:01
BuzzFeed Japan

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