ここから本文です

犯人は誰なの? オゾン層破壊の元凶・フロンガスがまた増えている

6/2(日) 8:13配信

ギズモード・ジャパン

まだ真相は謎のまま?

上空で太陽からの有害な光をカットし、地上の生態系を守っているオゾン層が破壊されている―そんな衝撃の発見が世界を揺るがせ、世界各国が、その保護活動への取り組みを謳ったMontreal Protocol(モントリオール議定書)に合意してから、早くも30年の月日が流れます。

【画像】犯人は誰なの? オゾン層破壊の元凶・フロンガスがまた増えている

オゾン層破壊のおもな原因は、エアコンの冷却材や半導体の洗浄に用いられていたフロンガス(CFC/クロロフルオロカーボン)だと考えられています。モントリオール議定書でその使用や製造が禁止されたことが功を奏して、南極の上空に開いたオゾン層の穴(オゾンホール)は狭まりつつありました。人類が手と手を取り合って、地球環境問題の解決へと真剣に取り組み、みごとに地球は保護されそう、めでたしめでたし…。

そんな展開になるはずが、あろうことか、突如として水を差す指摘が相次いでもいました。

禁止されたはずのフロンガスが増えている

なんと議定書で禁止に合意したフロンガス(CFC-11)の排出量が、最近は減っていくどころか、急に増加に転じていることが判明してしまったのです!

どうして過去の危機へと逆行し、再びオゾン層の破壊と地球温暖化の加速を招きかねない事態が進行しているのか? この問題の調査が、研究者たちによって行なわれていたのですが、このほど科学ジャーナルの「Nature」に、新犯人が明らかになったとする報告が掲載されましたよ。

同報告によれば、中国におけるフロンガスの排出量は、2008年から2012年にかけ、平均して年間6.4ギガグラムをキープしていたのに、2014年から2017年は、年間13.4ギガグラムと倍以上のペースまで急上昇。当初はハワイからの観測データをもとにしていたものの、新たに日本および韓国の観測施設のデータを分析に加え、とりわけ中国の北東部から、フロンガスの排出量が急激にアップしていることを突き止めたと発表されていますね。

今回の研究調査について、Institute for Governance and Sustainable DevelopmentのDurwood Zaelke会長は、以下のようにコメントしています。

『新たな分析結果から、問題のCFC-11の発生源および地点に関する特定が進められ、中国東部で、過去に製造されたものからの漏出ではなく、新規製造で排出されたものだと確信するにいたる証拠が強まった。この発表が、中国への圧力を高め、新たなCFC-11の製造問題を調査して、抑制や削減につながっていくことを願う。』

中国北東部が原因とまではわかっても、どの施設や工場がCFC-11の排出に関与しているのかまでは、中国当局を通じて現地協力を得なければ突き止められません。

このままでは、せっかくふさがりつつあったオゾンホールが、また以前のように大きく開いてしまうばかりか、二酸化炭素の5000倍も地球温暖化に影響をおよぼすとされるフロンガスが、大気中へダダ漏れになっていくインパクトまで懸念されていますよ。

早期の全容解明と、事態の改善が期待されるところですね。

Source: Nature

Sam Rutherford - Gizmodo US [原文] ( 湯木進悟 )

最終更新:6/2(日) 8:13
ギズモード・ジャパン

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事