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JR美濃太田駅の駅弁立ち売りに幕「幸せやわ」

6/2(日) 8:29配信

岐阜新聞Web

 約60年にわたり、JR美濃太田駅(岐阜県美濃加茂市太田町)で駅弁の立ち売りを続けてきた仕出し店「向龍館」が1日、最後の駅売りを終えた。駅員手作りの感謝のセレモニーがホームで開かれ、社長の酒向茂さん(75)は「長い間、弁当を愛してくれてありがとうございました」と話して感極まり、声を詰まらせた。

 駅弁はロングセラーの「松茸(まつたけ)の釜飯」。酒向さんは妻素子さん(72)と二人三脚で駅売りを続けていた。当初は5月31日までの予定だったが、同駅の依頼で観光列車「ぬくもり飛騨路号」が運行する1日まで営業許可を延長し、同日が最終日となった。

 午前9時57分、観光列車がホームに到着すると、列車内から「松茸の釜飯」を買い求める大勢の乗客が酒向さんらを囲み、あっという間に売れていった。

 セレモニーで、酒向さん夫妻に花束や歴代駅長5人の寄せ書きなどが手渡されると、ファンから「お疲れさま」「今までありがとう」と声が飛び交い、温かい拍手に包まれた。野村嘉孝駅長(48)は「いつも心温まる弁当をありがとうございました。本当にお疲れさまでした」とねぎらった。

 酒向さんは「寂しいね。そんなふうに思ったことはなかった。今まで何代も駅長を見送ってきたけど見送ってもらうのはね、幸せやわ」と万感の思いを口に。「夫婦で旅行にでも行こうかな。これから楽しもうかと思う」とも話した。

岐阜新聞社

最終更新:6/2(日) 8:29
岐阜新聞Web

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