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ふわりと浮かぶ気球を使って宇宙の謎を探る

6/3(月) 14:12配信

サイエンスポータル

 それだけではない。この観測方法は、「ブラックホール連星」の研究にも応用できると考えられている。ブラックホール連星は、みずからが輝いている「恒星」とブラックホールが互いの周りを回転しあっている天体だ。エックス線や硬エックス線の偏光観測により得られた情報を従来の観測結果に加えれば、その姿がより詳しくわかる。例えば、ブラックホールが、相方の恒星からガスを吸い込んだときに出るエックス線などの偏光を詳しく調べることで、ブラックホールがどのようにガスを吸い込んでいるかがわかるという。さらには、ブラックホールがどれだけ周囲の物質を吸い込んだのか、それが銀河の進化にどのように影響しているのかといった謎の解明につながっていく。

融通が利いて機動力がある気球観測

 天体観測と聞いて思い浮かべるのは、きっと天文台の望遠鏡や人工衛星だろう。ところが、高橋さんらの研究では気球を使う。気球に観測装置を積んで、空に揚げるのだ。気球を使う利点は、大きく分けて二つある。一つは宇宙からのエックス線や硬エックス線を吸収してしまう地球大気の上に出ることができること。もう一つは、安くて臨機応変に改良できることだ。

 エックス線や硬エックス線は、地球の大気に吸収されるので地上には届きにくい。エックス線は上空100キロメートル、硬エックス線は上空40キロメートルより高いところで観測しなければならない。

 そのための観測手段としてロケットや人工衛星があるが、これらはそう簡単に使えるものではない。長期にわたる開発期間と多額の費用が必要な人工衛星では、確立された手堅い観測手法の機器を搭載することが求められる。したがって、いま開発途上にある硬エックス線偏光の観測装置を載せることは難しい。しかも、観測装置は大きく重いので、低予算で開発できる小型人工衛星には搭載できない。ロケットに観測機器を積んで打ち上げ、落ちてくるまでの間に観測を行うという方法もあるが、これだと実質的には数分間しか観測できない。

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最終更新:6/3(月) 14:15
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