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中国が歴史から葬り去ろうとしている天安門事件、30枚の写真

6/4(火) 13:23配信

BUSINESS INSIDER JAPAN

2019年6月4日、天安門事件から30年を迎えた。民主主義と自由を求めた学生の抗議活動は流血の惨事で結末を迎えた。

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1989年6月4日早朝、中国共産党政府は天安門広場に戦車と兵士を送り込んだ。政府は軍に対して「どんな手段を使っても」広場から学生たちを排除するよう命じていた。

事態は翌日の朝まで続く流血の惨事となった。数千の兵士が群衆に発砲し、死傷者数は数百人にのぼった。だが、正確な犠牲者数は、現在も分かっていない。

天安門事件を振り返る写真をまとめた ── 中国政府が闇に葬りたい30枚の写真だ。

抗議活動は1989年4月に始まった。民主化に理解を示した胡耀邦・元総書記の死を追悼する学生たちが集まった。

胡氏は在任中、改革開放路線と自由化路線を推進し、多くのエリート学生の支持を集めた。

数万の学生と市民が北京の中心地にある天安門広場に集まった。

抗議者たちは多くの不満を抱えていた。言論の自由の拡大、収入アップ、インフレの抑制などを求めていた。4月22日、胡氏の追悼大会が開催された後、学生たちは政府に要求を出したが、政府はこれを拒否した。

4月26日、人民日報は集会を「混乱」と呼び、党を攻撃していると批判する記事を掲載。記事は集まった学生と市民の怒りに輪をかけた。

5月13日までに、天安門広場の群衆は約3万人に膨れ上がった。多くがそこで夜を過ごした。

そして百名を超える学生がハンガーストライキを始めた。

また多くの学生がちょうど中国を訪問していたソ連のゴルバチョフ書記長との面会を求めて座り込みを行った。

5月19日、改革派で学生との対話を主張した趙紫陽総書記が学生たちと対面し、妥協を求めたが、失敗に終わった。

BBCによると、趙総書記は学生たちに「来るのが遅すぎた」と語った。その後、趙氏は表舞台から姿を消した。


その後、趙氏のライバル、李鵬首相が戒厳令を宣言した。

5月20日、人民解放軍は北京に向かい始めた。学生たちは兵士に支持を訴えかけた。

同じ頃、学生たちの抗議活動は分裂し始めた。明確なリーダーはいなかった。

とはいえ、学生たちは広場の占拠を続けた。約1週間、占拠は続けられた。明確な安全上の懸念はなかった。

「自由の女神」を模した、高さ約9mの像さえ出現した。

多くの若者が公然と政府を批判した。

党は再度、動き出した。6月2日、党の高官は「首都に秩序を取り戻す」と述べた。

翌日、約2万5000人の兵士の動員が始まった。軍には、6月4日午前1時に広場に入り、午前6時までに群衆を排除することが命じられていた。

天安門事件を研究している歴史家のWu Renhua氏によると、兵士はまた「自衛のための行動と、障害を取り除くためのいかなる手段の使用」が認められていた。

6月3日午後10時、天安門広場の西、約3マイル(約5km)で市民に対する最初の発砲が報じられた。ABCが伝えた。軍は6月4日午前1時30分に広場に到着した。

学生たちは抵抗した。多くは丸腰だったが、石などを持つ者もいた。

暴力が生まれた。装甲兵員輸送車が学生たちの列を突入し、広場に入ろうとして学生たちに発砲した。

流血の後、広場の学生は排除された。当時、党は兵士を含む241人が死亡し、7000人が負傷したと発表した。

死者数には他の数字もある。イギリスの外交官は1万人と書き残した。多くの死者は広場の外で発生した。

2017年に機密解除されたイギリスの外交電報は死者数は1万人を超えると報告していた。BBCが伝えた。

いずれにせよ、中国共産党支配下で最も暴力的な夜となった。

学生たちを排除した後、軍は北京の幹線道路を走り回った。

広場近くの大通りを行く戦車の列に立ちはだかる男性 ── 事件を象徴する写真となった。

「戦車男(Tank Man)」と名付けられた男性の身元と所在は分からないまま ── 撮影したジェフ・ワイドナー(Jeff Widener)氏はピューリッツァー賞にノミネートされた。

中国の指導者・トウ小平氏は6月9日、初めて現地を訪れ、軍の働きを称賛し、学生たちを共産主義を倒そうとする反逆者と位置づけた。

PBSによると、数千名が逮捕された。処刑された人もいると伝えられた。

中国は天安門事件を歴史書から葬り去っている。事件に関連したキーワードを検索することもできない。

Alexandra Ma

最終更新:6/4(火) 13:23
BUSINESS INSIDER JAPAN

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