ここから本文です

「外国人労働者受け入れ、もっと長期的に見て」パソナグループ南部代表 独占インタビュー(後編)

6/4(火) 14:53配信

東京商工リサーチ

-地方でのマッチング業務に積極的だ
 地方の過疎化や首都圏での待機児童など、山積する社会問題に起因するのは東京への“一極集中”だろう。国内の不透明な経済状況のなか、再度リーマン・ショックのような不況が訪れたとき、首都圏、国内の雇用は大変なショックを受ける。国家の“リスクヘッジ”の観点からも地方創生は急務だ。
 U・Iターン事業も我々をはじめ、民間レベルで進めているが、まず地方における雇用のミスマッチを解消することから始める必要がある。まだその(初歩的な)段階であると言える。地元に帰りたいと思う人は一定数いるものの、彼らが望む“首都圏で培った経験を生かせられる仕事”が地方で見つけられないケースも多い。そこで私たちが仕事を見つけ、U・Iターン希望者に紹介している。
 若いスタートアップ企業などで、四国や山梨などに拠点を移す動きもあり、地方創生に目をつける人がようやく出てきた。

-地方創生でネックとなることは?
 官庁の首都集中だろう。官庁の移転が進まないことには地方創生は本格化しない。今、すべての社会機能が東京にあり、地方への人や企業の流れを妨げている。せっかく移転したい若い人や設備投資を考える企業が増えても、銀行の拠点も地方から撤退している状況。例えば、ニューヨークとワシントンが機能分化されているように、日本も政策的に都市機能を分けなければ、地方創生は加速しない。

-地方では民間に比べハローワークが強い地域もあるが。
 取り組みでみれば、ハローワークは民間に比べ遅れている面が多く、市場のニーズとかけ離れているのが現状だ。特にIT技術者へのニーズ把握が困難であると聞く。かつては、職を求める側にも企業側にも大変必要とされていた機関だ。しかし、以前のように書類だけを照合して企業を紹介する時代は終わってしまった。
 近年は「若者向けの」、「女性だけの」、「シニア世代向けの」と細分化を進めた取り組みもあるが、そういう枠組みだけでは測りきれない指標でのマッチングが、やはり求められている。

 南部代表は、労働力不足の早期解決の必要性に理解を示すものの、外国人労働者の新たな受け入れは、「慎重に進めるべき」と述べる。背景には、不透明感の強い経済動向がある。「いつリーマン・ショック級の景気下降が発生し、“人余り”となるか分からない」と懸念する。今後の景況感についても、「早ければ、今年秋にも景気後退の波が起こるだろう」とシビアな見方も示す。
 移動の際には、もっぱら公共交通機関や自家用車を自ら運転する。公務、私用を問わず、空港への移動もモノレールかバスを利用する。「もう20年ぐらい自分の足で移動している。街を歩くことで社会状況やトレンドが自然と入ってくる」と世の中を見据えながらも、インタビューでは穏やかな笑顔を見せた。

(東京商工リサーチ発行「TSR情報全国版」2019年6月5日号掲載予定「Weekly Topics」を再編集)

2/2ページ

最終更新:6/4(火) 15:01
東京商工リサーチ

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事