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花かつお・削り節市場は高齢者に支えられ需要堅調

6/4(火) 18:20配信

日本食糧新聞

削り節は前期、前年実績並みの市場規模を維持した。50代以上のヘビーユーザーが消費の多くを支え、超高齢化が進む苦境ながら、需要は堅調だった。前年の値上げ、減量による停滞からの復調に加え、単価アップも進んで収益は改善。昨年からさば缶人気に火がつき、魚食の健康・栄養情報が浸透。削り節市場でもごく一部ながら、鯖節人気が高まった。機能性訴求での若年、トライアル消費の喚起も有効。和食文化を支える誇りを胸に、市場継続の可能性を探りたい。

かつおパックは少量使い切りの流れ

花かつお・削り節市場は2018年3月期、約516億円の前年実績並みで着地したとみられる。構成比6割弱のかつおパックが前年比5%増、シェア3割で続く花かつおが1%増と伸び、混合削り節3%減を補った。

規模の横ばいは久しぶり。長期の縮小傾向を免れたのは値上げした2013年以来5年ぶりとなった。

一服感も漂うが、内実は、前年2017年度の大幅減からの反動増が大きい。同年秋に原料高で改定して消費が冷え込み、前期に回復した。焦点は改定前の2016年度比。一昨年比ではかつおパック2%増、花かつお7%減、混合7%減とみられて全体で2%減。かつおパックだけが伸び、花かつおと混合の大幅減が続いている。

2017年の価格・容量改定に至った相場高は現在安定。同年は通年で1kg平均227円を超え、前回値上げした2013年平均186円を大きく上回った(焼津港、鰹節向きの2.5kg以上)。世界的な温暖化による不漁、旺盛なツナ缶需要が相まって暴騰した。

2018年は一転して1kg平均167円超と安くなった。豊漁もあるが、2017年価格はさすがにバブル価格だったとみられる。魚のタンパク質需要は底堅いとされながらも、安価なタンパク質源を求める動きは、ほかの鶏肉などへ移った。国内漁港への入船数は278と前年から30増。鮮魚・切り身向けの近海・生水揚げ量も回復し、一時の原料争奪戦はなりを潜めた。

2017年度の削り節事業は赤字だったとする企業は多い。改定を急いだ結果の消費停滞、以後2018年度の回復に至った。既存品の単なるダウンサイズや値上げは、削り節を普段使いし、市場を支えるヘビーユーザーの反発を招きやすい。

新商品やリニューアルによる単価アップ、収益改善が望まれ、実売が得られる格好の付加価値商品となったのが使い切りタイプ。特に1~1.5gのかつおパックの店頭回転率が高く、人口減と高齢・小世帯化のニーズを着実にとらえた。

国内の食品業界は各市場とも成熟し、同質・廉売のコモディティー化を脱する動きが盛ん。醤油の密封・鮮度ボトル、食酢の健康機能情報など、商品・販売戦略での革新が進み、成果を上げている。削り節市場では、削りたての風味がいつでも楽しめるかつおパックを、にんべんがちょうど50年前の1969年に開発して久しい。

パックは5g中心の商品構成が長く続いた。現在の主要世帯である1~2人家族に5gは多すぎる。今の売場の主流になりつつある2.5gでも使い切れずに、開け口を輪ゴムなどで締め、冷蔵保存するのが大勢だろう。

1.5gのミニパックは、2003年からベストプラネットが発売して当時からヒット。トップメーカーのヤマキやマルトモなど、大手企業も導入して、全国人気の商品に育ててきた。

少量使い切りの流れを一気に加速したのが、ヤマキの「使い切りかつおパックマイルド1g×12P」。相場が高騰した2017年からナショナルブランドとして全国展開し、一気に主力品になるまで売上げを伸ばした。

ヤマキの売れ筋5位内には、使い切りタイプが2品入り、消費ニーズは旺盛。開封後にすぐ劣化する香りが楽しめ、鮮度感といったおいしさ、本来の品質も伝わりやすい。ユニット単価を着実に高め、かつおパック市場単独での成長につなげている。

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最終更新:6/4(火) 18:20
日本食糧新聞

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