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「被害者取材」は本当に必要なのか? 相次ぐ悲惨な事件事故、メディアに集まる批判

6/4(火) 6:32配信

BuzzFeed Japan

子どもが巻き込まれる事件・事故が相次ぐなか、報道のあり方に厳しい視線が注がれている。大津市で5月8日に起きた保育園児らが死傷した事故では、保育園側が開いた会見について、ネット上で「なぜ園を追及するのか」とメディアへの批判が広がった。また、1週間前の5月28日には川崎市登戸で児童ら19人への殺傷事件が起き、現場や被害者が通っていた小学校には多くの報道陣が詰め掛け、再び批判が巻き起こった。【BuzzFeed Japan / 籏智広太】

【写真】救急車が多数、救護テントも… 川崎市登戸の連続刺傷事件の現場

双方ともに被害者側が「取材の自粛」を要請をしたこともあり、「被害者取材/報道」の是非を問う声も広がっている。そのあるべき姿について、専門家に話を聞いた。

「被害者に話を聞くという行為そのものに、マスメディアの”業”があると思っています」

そうBuzzFeed Newsの取材に語るのは、法政大学の津田正太郎教授(メディア社会学)だ。

「こういう悲惨な事件事故が起きたとき、ある種の私的制裁のように、みんなが拳を振り上げてしまうことがあります。加害者だけではなく、マスメディアがその矛先になるとも言えます」

「心労で苦しんでいる被害者に話を聞くこと自体に、嫌悪感を持っている人は多い。これまでも潜在的に感じていた人は少なくなかったはずですが、SNSが普及して一般の人が声をあげることで、『不満に思っていたのは自分だけじゃない』と、マスメディア批判が加速されていったのではないでしょうか」

メディアを「ただの野次馬」として感じている受け手は少なくないというのが、津田教授の見方だ。

特に会見や現場の様子などが生中継されるようになった最近は、記者の質問の内容は態度を指摘し、特定し、さらに批判するという流れもたびたび起きている。

大津の事故のあとには、批判の高まりを受け、京都新聞などが紙面やサイト上で「正確な事実を伝え、再発防止策を探るためには、被害者である園の側への取材も必要だった」と説明した。

津田教授は、メディア側が繰り返してきたこうした「再発防止」というロジックには疑義を持つ。

「再発防止とは、マクロに、社会全体で負う問題。それを、たまたまそこにいる被害者に負わせてよいのでしょうか」

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最終更新:6/4(火) 6:32
BuzzFeed Japan

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