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固定電話やメール、SNS世代は使い方分からない?! 変わる企業の新人研修

6/5(水) 16:00配信

神戸新聞NEXT

 スマートフォンや会員制交流サイト(SNS)の普及に伴い、企業などが実施する新人マナー研修の内容が変わり始めている。かつての新人なら固定電話やパソコン(PC)のメールは「使えて当然」だったが、近年の“SNS世代”はそうとも限らないからだ。新人研修を担う講師らには、企業側から「電話応対や仕事上でのメールの使い方をしっかり教えてほしい」との要望が増えているという。(久保田麻依子)

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 NPO法人日本サービスマナー協会大阪本部の専任マナー講師、渋谷亜佐子さん(50)は今春、西日本各地で新人研修を担当し、300人以上の新入社員と接してきた。このうち半数近くは固定電話の「親機」を使った経験がなかったといい、保留の仕方から内線の使い方まで丁寧に解説した。

 総務省が2018年に発表した「情報通信白書」によると、17年のスマホの世帯保有率は75・1%で、調査を始めた10年の9・7%から急増。若者に限定すれば、さらにその割合は高まるとみられる。反対に固定電話の世帯保有率は08年の90・9%から70・6%に、PCは同85・9%から72・5%に大きく減った。

 通信機器の飛躍的な発展は世代間のギャップも生んでおり、「管理職に若い世代の特徴を話す機会も増えた」と渋谷さん。「仕事への向き合い方がまじめな若者も多く、相手に好印象を与えるマナーを身につけてもらいたい」とアドバイスする。

 PCメールの“作法”も標準的な研修内容に加わりつつある。4月中旬、神戸市内の企業では無料通信アプリ「LINE(ライン)」とメールの違いについて、講師が十数人の新人に指導していた。

 例えばラインでは「スタンプ」と呼ばれるキャラクター画像で感情を表現することも多いが、「(メールでは)その内容を言葉で表現し、宛名や差出人を明記します」。さらに無用なトラブルを避けるため「社内の業務などはSNSでうかつに投稿しない」ともくぎを刺した。

 マナーに疑問符が付く場面は、就職活動中にも見られる。甲南女子大キャリアセンターの木村智博課長補佐(39)の悩みの種は面談のキャンセルを直前にスマホのメールだけで済ませる学生が出てきたことという。「便利な半面、社会人の常識を一つずつ説明する必要が増えてきた」と話す。

■就活にもスマホやLINE 急増する「動画選考」

 マナー面での課題はあるものの、当世の就職活動にスマホやSNSは欠かせず、学生、企業の双方が活用する。

 甲南女子大(神戸市東灘区)文学部4年の女子学生(21)は、英国留学から帰国後の昨年9月に就活を始めた。内々定を得た商社との出合いは、ラインで見かけた就活イベントの案内。海外勤務を見据えた働き方に魅力を感じ、応募を決めた。

 選考が進むと、面接案内などは人事担当者とラインでやりとりするように。就活をきっかけに、ラインのプロフィル画像(アイコン)を証明写真に変更した友人もいるという。

 このところ特に目立つのが、航空業界やテレビ局、商社を中心に広がる「動画選考」だ。リクルートキャリア就職みらい研究所(東京)の増本全所長(38)によると、急増したのはここ2年ほど。「売り手市場が続き、企業にとっては優秀な人材の確保が課題となっている。面接の前に、動画を通して学生の人となりを深く知っておきたいという企業は多く、普及が加速するのでは」とみる。

 雇用開発センターが昨年発表した「大学生就職活動調査」によると、就活でのスマホとPCの活用度合いは「半々」が39%で最多だったが、「スマホだけ」「スマホがほとんどでPCは時々」も計36%。PCがメインという回答は計24%だった。

最終更新:6/6(木) 17:00
神戸新聞NEXT

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