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「精神的・肉体的な疲労感が強かった。それでもやって良かった」裁判員経験者が明かす決断の重み

6/5(水) 10:30配信

AbemaTIMES

 「戦後最大の司法改革」とも呼ばれた裁判員裁判の開始から10年を迎えた。これまでに9万人を超える人が裁判員に選ばれ、およそ1万2000の判決を下してきた。しかし、市民が有罪か無罪かを判断しなければならない法廷の実態については未だ見えてこない部分が大きい。

 また、数字で見てみると、2009年には53.1%だった辞退率は年々上昇、2019年には年間8万5000人以上、実に68.4%に達する。さらに呼出状を受けての無断欠席率はおよそ4割、裁判の出席率も2009年の83.9%から2019年には66.5%にまで低下している。背景には、2009年には3.4日だった審理日数が2018年には6.4日と年々長くなっていることもありそうだ。

 そこで3日放送のAbemaTV『AbemaPrime』では、裁判員の経験者に話を聞いた。

■無断欠勤扱いになり、退職を余儀なくされた男性も…

 2011年に裁判員を務めた木村宏之さんは、東京都目黒区で起きた凶悪な強盗殺人の裁判を10日間にわたって担当した。勤務先の上司には、裁判員を理由に会社を休むと伝えたが、当時は事例がなく、無断欠勤扱いされてしまったという。

 「裁判が終わって会社に戻ると、机の上には段ボールが積まれ荷物置き場と化していた。“忙しい時に暇なことやっているやつは違うよなぁ“みたいな言い方をされ、評価も下がった」。会社に居づらさを感じ、退職。持病だったうつ病が悪化し、現在は障害者雇用を利用して働いている。

 それでも木村さんは「裁判員をやって良かったと思う。他の人の視点や考え方を聞ける機会になったし、社会に対する還元という意味もある」と力を込めた。

■「精神的・肉体的な疲労感が強かった」

 不動産会社に勤務するる田口真義さんが裁判員を務めたのは9年前。最初に届いたのは最高裁判所から送られてきた、候補者に登録されたことを知らせる「候補者登録通知」だった。この時点で裁判所に出向く必要はないが、その後1年間は「呼出状」が送付される可能性があり、正式な呼び出しを受けたにも関わらず、病気や高齢、子育て、仕事など、やむを得ない理由もなく欠席すれば、10万円以下の過料が課されることもある。「裁判所からの通知なんて、なかなか受け取ることがない。心当たりがないので、ちょっとドキドキしました」。

 候補者の中から義務教育を修了していない人や国会議員などが除外され、質疑応答や抽選を経て、一つの事件につき6人が選任手続きを経て、正式に裁判員となる。主な役割は、証拠調べや証人への質問だ。

 また、裁判員裁判で裁かれる罪は、殺人、傷害致死、現住建造物等放火、保護責任者遺棄致死、強盗致傷、危険運転致死、身代金目的誘拐、覚醒剤取締法違反などの非常に重いものに限定されている。社会の関心が高く、重大な事件が基本だ。

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最終更新:6/5(水) 10:30
AbemaTIMES

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