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ふるさと納税、新制度除外で返礼品業者が苦境 設備投資、新たに雇用も…有力な販路失う 佐賀

6/6(木) 15:42配信

佐賀新聞

 1日に始まったふるさと納税の新制度から三養基郡みやき町が除外されたことを受け、返礼品を納入していた町内の事業者の一部が苦境に立たされている。納入を見込み、設備投資や、従業員を新たに雇用していた事業者もあり、有力な販路を失った痛手は大きい。町は地元経済への影響を最小限に抑えるため、さまざまな施策を模索するが、事業者からは「町には頼れない。自分たちで何とかするしかない」との声も漏れる。

 返礼品として町内産の「さがびより」や「夢しずく」を納入していた大塚米穀店の大塚乾祐さん(41)は「影響がないとは言えない」と表情を曇らせる。米は返礼品の中でも人気商品の一つで、リピーターも多い。この店では返礼品が売り上げの2、3割を占めており、梱包(こんぽう)や発送のために3人を新たに雇用していた。

 返礼品用の米は町内の農家と契約して直接仕入れており、買い取り価格は通常より高い。本年度産は買い取るものの、在庫を含めた販売先は決まっていない。大塚さんは「農家も不安がっているようだ」と打ち明けつつ、「売り方はこれから考えていく。町には、個人レベルでは難しい町内産品のPRに取り組んでほしい」と切望する。

 返礼品を扱うために設立された地域商社「プラン」は、売り上げの8割がみやき町関連の事業。農産物など返礼品の納入に加え、町や近隣市町のふるさと納税サイトの管理業務も請け負っていた。10人のスタッフがいるが、大石秀一社長は「正直、厳しい。気を遣って退職を申し出てくれた人もいた」と明かす。

 同社は雇用を維持し、事業を継続する予定だが、サイト管理業務だけでは経営的に厳しい。大石社長は「行政に頼るだけではどうにもならない」と、ふるさと納税への将来的な復帰を前提に、新たな地場産品の開発に取り組む方針を示す。

 一方で、事業者の受け皿となる取り組みも始まっている。ふるさと納税の情報発信を担っていた「フルーム」(椙村一弘社長)はNPO法人「地球市民の会」(佐賀市)と、町内産品を県のNPO支援ふるさと納税の返礼品として提供する提携を結んだ。行き場を失っていた返礼品の販路を確保し、事業者を支える。

 過度な返礼品で多額の寄付を集めたとして、町を新制度から除外することを総務省が決定した後の5月下旬から、末安伸之町長や担当職員は返礼品業者を訪ねている。町長が経緯を説明し「協力業者に迷惑をかけたことは間違いない」と頭を下げて回っている。

 町長は「ピンチをチャンスに変えたい」とも話す。返礼品を扱うインターネット上の仮想商店街の開設や新たな特産品開発を目指し「苦い経験が数年後にはプラスになったと言えるようにしたい」という。

 みやき町を含む全国4市町の除外期間は、少なくとも来年9月までは続く。協力事業者の一人は「ふるさと納税で利益を上げたのは事実。これまでのノウハウを生かしながら1年4カ月をしのぐしかない」と話す。

最終更新:6/6(木) 15:42
佐賀新聞

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