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レーベル初の音楽フェス“SACRA MUSIC FES.2019 -NEW GENERATION-”レポート

6/7(金) 0:56配信

M-ON!Press(エムオンプレス)

数多くの人気アーティストが所属する新進気鋭のレーベル・SACRA MUSICによる初の音楽フェスティバル“SACRA MUSIC FES.2019 -NEW GENERATION-”が、5月18日・19日に千葉・幕張メッセ イベントホールで実施された。SACRA MUSICと言えば、アニメ音楽のファンにとってはすでにおなじみのレーベルだが、実はアイドルからVTuberに至るまで、様々なジャンルで活躍するアーティストが在籍していることで知られる。今回は多彩なアーティストが集結。日替わり曲や豪華なコラボレーションも含め、フェスならではの特別感溢れるイベントとなった。本稿ではその2日間の模様をまとめてレポートする。

会場に入ってまず目に付いたのが、ホールのアリーナ中央に設置されたステージ。形は正方形で、その四辺のうち一辺から花道が伸びており、さらにその周囲360度を客席が取り囲んでいる。ステージ側から見ると全方位をオーディエンスに囲まれ、観客からすれば演者との距離を感じずに楽しむことのできる、ライブの熱気を増幅するような作りだ。四角いステージの上空には大きなモニターが4方向それぞれに吊り下がっており、まずはそこにバーチャルYouTuberの輝夜 月が登場。ライブの諸注意を読み上げた後、「盛り上がる準備はできてますかー!」と会場いっぱいの観衆に呼びかけて興奮を引き出す。続けて、この日の出演アーティストを紹介するオープニング映像(SACRA MUSICらしく桜をモチーフにした内容だった)でさらに期待を煽り、ついにフェスがスタート!

一番手を務めたのは、熱狂的なライブパフォーマンスで支持を広げる5人組ロックバンドのPENGUIN RESEARCH。まずは「WILD BLUE」の“Come on, Come on, Come On”という印象的なコーラスフレーズをSEに、メンバーが花道から一人ずつ登場して各々の楽器の場所にスタンバイすると、最後に現れた生田鷹司(ボーカル)がマイクを握りしめ、そのまま「WILD BLUE」からライブを開始。大股を開いてワイルドに演奏する堀江晶太(ベース)、楽器台に片足を載せてアピールした柴崎洋輔(キーボード)など、のっけからフルスロットルの歌唱&演奏で熱気を生み出す。

そこからさらに攻撃的な最新シングル曲「決闘」では新保恵大(ドラムス)がツーバス連打でメタル魂を爆発させ、生田もハードな音に負けないハイトーンボイスでリード。そして1日目は「近日公開第二章」、2日目は「敗者復活戦自由形」と、どちらもハイテンション極まりないナンバーで締め。ここでは神田ジョン(ギター)がサイリウムをスライドバー代わりにしたりと、トリッキーなプレイでも魅せてくれた。最初から最後まで全力で駆け抜ける彼らのステージは、宴の開幕を飾るにふさわしい迫力を纏っていたと思う。

そしてここで早くもビッグなサプライズが訪れる。なんとClariSとTrySailの2組による初のコラボレーションが実現したのだ。

1日目では、ClariSの代表曲「コネクト」が流れ出したかと思うと、中央のステージとは別の移動型ステージに乗ってTrySailの3人が登場。麻倉ももはピンク、雨宮天はブルー、夏川椎菜はイエローと、それぞれのイメージカラーのClariS風の仮面をつけている。彼女たちはそのまま「コネクト」を1番まで歌うと、中央ステージに向かって「ClariSさーん!」と呼びかけ。すると今度は花道からClariSのふたりが現れ、2番を歌い継ぐ。さらに間奏でClariSの「TrySailさーん!」という声に、いつの間にか移動していたTrySailの3人が花道から登場し、最後は全員で歌唱。2日目には逆に、まずClariSが移動型ステージに乗って現れ、TrySail「かかわり」を同じ流れでコラボした。純白の衣装を着た5人の麗しい美声に、心を奪われた人も多かったはずだ。

夢のような共演に続いては、綾野ましろがポップアップでステージに勢いよく登場。ミニスカートの裾に鮮やかなグリーンをあしらった、白地のかっこよさとかわいさを兼ね備えた衣装に身を包んだ彼女は、まず爽快なロックチューン「NEWLOOK」を披露する。

客席は彼女のイメージカラーであるホワイトのペンライトで一面染まり、綾野はその360°を白銀に囲まれた光景をうれしそうに堪能しながら、ステージ上を元気いっぱいに動き回って伸びやかな声を会場の隅々にまで届けていく。2曲目は日替わり曲となり、1日目は熱をはらんだボーカルが聴く者の胸を震わせた「starry」、2日目はクールな雰囲気からドラマティックに進展していく「衝動」を歌唱。

最後は自身のデビュー曲でもある「ideal white」で盛大なクラップやコールを巻き起こす。落ちサビでは真っ白な客席のところどころにオレンジのサイリウムが混ざり、歌詞にある“真白な未来”に希望の灯りが灯されたかのような場面も。凛々しさと清々しさを感じさせるステージでフェスの序盤戦を盛り上げた。

なお、今回のフェスでは、黒須克彦(ベース/バンドマスター)、三沢崇篤(ギター)、今井 隼(キーボード)、山内 優(ドラムス)という腕利きのミュージシャンから成るSACRA BANDが、綾野以降のほとんどのアーティストの楽曲で演奏を担当。生バンドならではの迫力やグルーブ感を持ったサウンドが、本公演の価値を高めていたことは間違いない。

次いで、同じポップアップによる登場でも、綾野とは対照的に静かにステージに現れたのは、三月のパンタシアのボーカリスト・みあ。ひらひらのフリルを全体にあしらった紺色の衣装に赤いスニーカーを合わせたポップな装いの彼女は、PENGUIN RESEARCHの堀江晶太がアレンジで関わったシングル曲「ピンクレモネード」でライブをスタートさせる。

スクリーンには同楽曲のカラフルなイラストを用いたMVが投影され、楽曲の世界観を視覚面でも演出。みあは躍動感に満ちたバンドサウンドに乗せて、恋する女の子のもどかしい気持ちをガーリーな歌声で表現していく。メディアに本人の顔や写真を公開していないこともあってか、今ステージ上でリアルに歌っているにも関わらず、どこかファンタジー感があるのが不思議だ。

生まれて初めての床の下からの登場にドキドキしたという、なんだか和むMCを経て、1日目は「青春なんていらないわ」、2日目は「パステルレイン」を披露。歌詞の物語性を大切にしながらも、聴き手の高揚を誘う楽曲で会場の熱気を引き出し、ステージから去った。

その余韻に浸る間もなく、すでに夕刻であるにも関わらず「おはよー!」というお決まりの挨拶でスクリーンに再登場したのが、バーチャルYouTuberの輝夜 月だ。

昨年8月に世界初のVRライブを開催するなど、音楽活動も精力的に行う彼女は、今回のフェスに前説のみならずひとりのアーティストとして参加。

1日目には、ヒップホップとハードコアパンクがキャッチーに融合したデビュー曲「Beyond the Moon」をかわいらしい動きで元気はつらつに歌い上げ、2日目はアグレッシブなパーティーチューン「Daity Party feat.エビーバー」のラップっぽい歌唱で会場をロックした。

続いては3人組ポップロックバンドのスピラ・スピカ。昨年8月にSACRA MUSICからメジャーデビューしたばかりの、まさにレーベルの「NEW GENERATION」と呼べる存在だ。ライブは弾けるような歌い出しが魅力的なデビュー曲「スタートダッシュ」でスタート。

幹葉(ボーカル)、寺西裕二(ギター)、ますだ(ベース)の3人は三角形を描くようなポジションで、ステージ上を回りながら楽曲を披露。全方位の客席に向けてまぶしい笑顔と爽やかなサウンドを届ける。そしてMCは幹葉の独壇場。徳島出身の彼女は阿波弁で気さくなトークを展開し、1日目は彼女の一番好きな挨拶だという「やっほー!」を会場のみんなと唱和。

2日目は彼女たちの楽曲「じゃんけんキング」にちなみ、オーディエンスと一斉にじゃんけんを行って楽しく盛り上げる(チョキを出した幹葉は「皆さんパーですね」と強引に話を進めて「私がじゃんけんキングじゃー!」と宣言)。最後は新曲「恋はミラクル」を天真爛漫にパフォーマンスし、ホールにたくさんの笑顔を咲かせた。

他のメンバー2人を「バイバーイ!」と送り出し、一人だけステージに残った幹葉は、ここで同じくレーベルの新世代であるhalcaを迎えてコラボレーションすることに。

出会うなり仲良さそうに抱き合うふたり。halcaが「小文字で5文字のhalcaです!」と挨拶すると、幹葉もそれをマネて「漢字で25画の幹葉です!」と挨拶したりと、実に微笑ましい。そんな彼女たちが歌ったのは、レーベルの先輩である春奈るなの楽曲。1日目は「君色シグナル」、2日目は「アイヲウタエ」を日替わりでデュエットし、エネルギッシュな幹葉とスウィートなhalcaという全く異なる声質を重ねて楽曲を紡いだ。終盤には幹葉がhalcaの手を取って花道をダッシュしたり、ステージ上で追いかけっこを始めたりと、見ているととにかく楽しい気持ちが溢れてくるコラボだったように思う。

そして今度はhalcaの出番。幹葉を送り出し、そのままステージに残ったhalcaは、改めて初々しい佇まいで挨拶を行い、ライブを始める。1日目に歌われたのは、彼女のデビュー曲でもある華やかなポップチューン「キミの隣」。

ペンライトで一面ピンク色に塗り替えられた会場を見渡しながら、甘酸っぱい歌声と可憐な動きで楽曲の世界観を紡ぎあげていく。2日目は一転してどこか勇ましい歌い口が魅力の「スターティングブルー」を披露。1日目は赤色の華やかなトップス、2日目はデニム地のジャケットと、それぞれの楽曲のイメージにマッチングする上着を羽織っていた。

MCで「TVアニメ『かぐや様は告らせたい~天才たちの恋愛頭脳戦~』観てくれましたか?」と呼びかけた彼女は、そのEDテーマとして好評を博した「センチメンタルクライシス」をラストに歌唱。長い手足を使ったしなやかな振り付けも込みで、恋に揺れ動く感情をしっかりと表現して会場を魅了した。

続いて会場を心地良いグルーブで満たしてくれたのが、声優の斉藤壮馬。

「デート」のイントロが奏でられるや否や、客席からは黄色い歓声が上がり、それに応えるように本人が花道から颯爽と登場。薄手のスプリングコートに白の開襟シャツ、白のストールという大人コーデでキメた彼は、清涼感のある歌声とスタイリッシュなパフォーマンスで、ファンとのデートの時間を盛り上げる。

MCで「穏やかに、のんびりと楽しんでいただければ」と語った彼は、続いて「初心に返ってこの曲を」と、大石昌良が楽曲提供したデビュー曲「フィッシュストーリー」を披露。ストリングスと軽快なバンド演奏が絡み合うゴージャスなサウンドに乗せて歌声を広げ、最後は「ラーラーラー」と大合唱を巻き起こして晴れやかな時間を作り上げた。

さらに斉藤は「僕もコラボしまーす!」と、PENGUIN RESEARCHの生田鷹司と堀江晶太をステージに迎える。堀江は普段のベースとは違ってアコースティックギターを手にし、SACRA BANDの今井 隼もキーボードでサポート。その4人のみでPENGUIN RESEARCHの楽曲「ボタン」を感傷たっぷりにパフォーマンスする。

まず生田がAメロを歌い、次いで斉藤がBメロを、そしてサビではふたりが切々とした歌声を合わせて、会場は一気にしっとりとした雰囲気に。2番では斉藤と生田が向き合いながら歌う場面も見られ、過ぎ去った青春を惜しみながら前に進む気持ちを歌った名バラードを、繊細かつ力強く表現した。

その流れを断ち切るようにダンサブルなSEが始まり、今度はGARNiDELiAが登場。

メイリア(ボーカル)とtoku(キーボード)は和のテイストを採り入れた豪華絢爛な衣装を身にまとい、1日目は2名の女性ダンサーを引き連れて「SPEED STAR」、2日目はふたりだけで「ambiguous」からライブをスタートさせる。いずれもライブでは鉄板のアップチューンということで、会場のボルテージは一気に上昇。そこからMCを挿んで、メイリアと4人のダンサーによる息の合ったダンスパフォーマンスも素晴らしかった「REBEL FLAG」、その5人が扇子を持って華麗に舞う「約束 -Promise code-」と、見た目の華やかさも込みで観客を惹きつける。

ラストは雅やかな音色とEDM直系のダンスビートが融合した人気曲「極楽浄土」を歌唱。メイリアが事前にレクチャーしたコール&レスポンスで会場の心は一体となり、「ソレソレソレソレ!」と祭りの掛け声が狂い咲くなか、フェスの前半戦は幕を閉じた。

ここで15分間の休憩タイムが設けられたのだが、その間にはSACRA MUSIC音源のみで構成されたミックスCD『MiX ~面白いほどよくわかるノンストップSACRA MUSIC~』のミックスを担当したDJ MarGenalによるDJショウが展開。

1日目には同ミックスCDの楽曲キュレーターを務めたニッポン放送の吉田尚記アナウンサーも一緒に登場し、彼の情熱迸る曲紹介とともにSACRA MUSIC所属アーティストによる人気曲が次々とスピンされる。両日でかけられたLiSA「ROCK-mode」では定番の「たりらたりら」の大合唱が起こったりと、休憩タイムと言いながらも全く休ませる気のない選曲で、幕張メッセは巨大なダンスフロアに早変わりした。

再び輝夜 月が檄を飛ばして幕を開けた後半戦は、指原莉乃がプロデュースする12人組アイドルユニットの=LOVE(イコールラブ)によるライブからスタート。

黄色いチェック柄のキュートな衣装で揃えた彼女たちは、まず眩しさ全開のデビュー曲「=LOVE」をパフォーマンスして、キラキラとした笑顔を振りまきながらオーディエンスを虜にする。その正統派アイドルらしい仕草から一転、次の「手遅れcaution」ではシリアスな表情と激しいダンスで先ほどまでとはまったく違う魅力を表出。

どこかゴシック感の漂うサウンドに合わせて、陰のある歌声を聴かせる。最後はまたまた表情をにこやかに崩して、爽やかなアップナンバー「探せ ダイヤモンドリリー」を披露。全員で横並びになるフォーメーションも壮観で、そのきらびやかなオーラにハートを射貫かれたファンも多かったことだろう。

そこから息つく暇もなく、今度はなんとGARNiDELiAと綾野ましろによる豪華なコラボレーションが現実のものに。

1日目は綾野とメイリアのボーカリストふたりがポップアップから飛び出して、綾野の楽曲「vanilla sky」を一緒に歌う。先ほどとは形の違うホワイトの衣装を着た綾野と、黒と紫をベースにしたゴシカルな衣装を着たメイリア。対照的な恰好のふたりが背中合わせになったり、ラスサビの“君の手を ぎゅっと にぎりしめて”の箇所で固く握手を交わしたりと、見せ場もたっぷりだ。2日目はそのふたりにショルダーキーボードを持ったtokuも加わり、GARNiDELiAの楽曲「BLAZING」をコラボ。3人がステージ狭しと動き回り、鋭角的なサウンドとそれを突き破るようにパワフルなデュエットで会場を活気づけた。

そしてステージ中央にマイクスタンドが置かれ、ReoNaがギターを手に持って静かに登場する。

1日目には「ピルグリム」、2日目には「Rea(s)oN」と、両日とも神崎エルザ starring ReoNa名義で発表したナンバーでライブを開始。『ソードアート・オンライン オルタナティブ ガンゲイル・オンライン』に登場する歌姫・神崎エルザが持つギターのモデルにもなった、フレットに猫の模様がついた愛用のギターをつま弾きながら(ちなみにギターストラップも猫柄だ)、深みを湛えた歌声で会場の空気を塗り替える。

ひと言ひと言を大切に扱うような、独特の間合いを持ったMCで挨拶をすると、続いてはReoNa名義でのデビュー曲「SWEET HURT」を歌唱。大きな意味での愛を感じさせるその歌声が、心に寄り添うように浸透していく。最後は『ソードアート・オンライン アリシゼーション』第2クールのEDテーマ「forget-me-not」でエモーショナルな歌声を会場いっぱいに響かせて、彼女ならではの静かに燃え上がるような世界観を広げてみせた。

そこから激しいロックサウンドを伴って勢いよく飛び出してきたのはASCA。

先ほどの「forget-me-not」を引き継ぐように、『ソードアート・オンライン アリシゼーション』第2クールのOPテーマ「RESISTER」を歌い、ロングスカートの裾を情熱的にはためかせながらパフォーマンスを繰り広げる。会場中のサイリウムも瞬く間に赤色へと変わり、まるで炎に囲まれて歌っているようだ。

元気よく挨拶をした彼女はその後、1日目にはパワフルな歌声で会場を圧倒した「凛」、2日目には徐々に激情感を増していくデビュー曲「KOE」を歌唱。彼女の楽曲の特色であるストリングスを効果的に採り入れたサウンドも相まって、ドラマティックな歌世界を引き出していた。

さらにASCAは「今日は特別な夜なので、あの子をもう一度ステージに呼び込みたいと思います」と語り、ReoNaをステージに迎え入れる。先ほどのhalca×幹葉に続き、今度はASCA×ReoNaというレーベルの「NEW GENERATION」同士によるコラボレーションだ。

彼女たちもまた、春奈るなの楽曲をふたりでカバー。1日目は「Overfly」、2日目は「Startear」と、どちらも表現力が要求される楽曲だが、抜群の歌唱力を誇る両者だけに、ときに深い陰影や絶妙なニュアンスを織り込みながら朗々と歌い上げる。今回のフェスには残念ながら春奈るなは出演しなかったが、レーベル期待の新世代たちが彼女のスピリットをしっかりと幕張メッセに刻んでみせた。

その後、「BATON-RELAY」と「天歌奏流」という二つの新規プロジェクトの告知を挿み、ステージには音楽家の澤野弘之によるボーカル楽曲に重点を置いたプロジェクト、SawanoHiroyuki[nZk]が登場。

澤野のピアノにギター、ベース、ドラムスという編成で、1曲目「Cage」ではTielleがマイクを取る。壮大かつ神秘的なサウンドと青いサイリウムの光る光景が合わさって、まるで宇宙を漂っているかのような感覚を呼び起こす。続いてはもうひとりのボーカリスト、Gemieも迎えて「sh0ut」をパフォーマンス。天まで届くような勢いで高らかと絶唱するTielle、フェイクを交えながら歌い上げるGemieによるド迫力のシャウト合戦でも魅せる。

さらにここで特別な計らいとして、澤野が楽曲提供した『甲鉄城のカバネリ』のEDテーマ「ninelie」をカバー。原曲はAimerとchelly(EGOIST)によるコラボレーションだったが、TielleとGemieもそれに負けない深淵な歌声で叙情的な景色を描いた。さらにここで澤野がASCAをステージに呼び込んで、彼女をフィーチャーしたナンバー「Unti-L」を披露。今回のフェスの中でもとりわけ重厚な音と歌声で、観る者に感動を与えた。

ここでEGOISTがサプライズでスクリーンに姿を現し、会場は大歓声に湧く。1日目に披露されたのは『Fate/Apocrypha』OPテーマの「英雄 運命の詩」。同作のメインキャラであるジャンヌ・ダルク風の恰好をしたアバター姿の楪いのりが、アニメの名シーンの映像をバックにスクリーンを通してパフォーマンスを行う。そして2日目には、劇場中編アニメーション『甲鉄城のカバネリ 海門決戦』の主題歌として発表されたばかりの最新シングル曲「咲かせや咲かせ」を歌唱。同アニメからの映像をバックに会場を盛り上げた。

フェスも終盤戦に差し掛かるなか、続いてステージに優雅に現れたのはClariS。序盤のTrySailとのコラボで着ていた衣装とはまた異なる、肩の開いた純白のドレスに身を包んだクララとカレンのふたりは、まず「irony」をお姫さまのように華麗な身のこなしとともに軽やかにパフォーマンスする。

ネジ巻き人形のような動きからスタートした「CheerS」では、その後もバレエを採り入れた振り付けも込みでメルヘンチックな世界観を構築。さすがレーベル内で最もメジャーアーティストとしてのキャリアが長い彼女たちだけあって、動きや仕草のシンクロ具合も素晴らしく、美麗なハーモニーも絶好調だ。

そして1日目はスカ調のアップチューン「ヒトリゴト」で賑やかに締め。2日目は麗しいメロディーが彼女たちの美しい所作とマッチした「カラフル」で華やかにラストを飾り、「最後まで盛り上がっていってくださーい!」と挨拶して去っていった。

そして事前に告知されていた最後のラインナップ、TrySailがついに登場。黒をベースにした大人っぽい衣装の3人は、1日目をHoneyWorks meets TrySail名義のかわいらしいラブソング「センパイ。」、2日目はパンキッシュでノリの良い「WANTED GIRL」でライブをスタート。

会場の熱気を一気に引き上げると、そこから間髪入れず美メロなミディアム「azure」で青く澄み渡った景色を描き出す。MCで360度ステージについて触れ、様々な方向に向けて手を振ってファンの声援に応えた彼女たちは、ここで1日目のみ彼女たちの持ち曲の中でもとりわけヒロイックな「High Free Spirits」をパフォーマンスして盛大なコールを巻き起こす。

そしてラストは最早ライブでの鉄板曲となっているスカコア風のアップナンバー「adrenaline!!!」。ステージ上を自由奔放に動き回って、誰よりも自分たち自身がライブを一番楽しんでいるような3人の姿に、オーディエンス側の興奮も止まらない。まさにアドレナリンが分泌しまくりなステージだった。

ここまでで予定されていた全アーティストが出演したわけだが、フェスはまだ終わりを迎えなかった。アニメ音楽好きなら聴き覚えのあるであろうイントロが奏でられ、ステージに姿を現したのは、なんと藍井エイル。

驚きのシークレット出演に会場は瞬く間に大歓声に包まれる。黒ベースの衣装に身を包んだ彼女は、1日目は花道からゆっくりと登場して、現時点での最新シングル「アイリス」を、貫禄をも感じさせる力強い歌声で熱唱する。ラスサビの歌い始め部分はほぼアカペラで聴かせ、歌唱後の達成感を感じさせる表情にもグッとくる。挨拶を挿み、2曲目は自身の活動復帰後の第1弾シングルとなった「流星」。両手を大きく広げて、観客の声援を全身で受け止めるように浴びる彼女。そこから間髪入れず3曲目の「INNOCENCE」に雪崩れ込み、間奏で「もっと高く飛べるよね?」と煽ってその日の最高潮とも言える景色を作り出す。ラストは全員でジャンプして、彼女にとっても大切な作品であろう『ソードアート・オンライン』関連の3曲でフェス1日目を締めくくった。

2日目も同様の流れでシークレット出演した藍井だが、その日は曲順を変えて「流星」からライブをスタート。ポップアップでいきなりステージ中央に飛び出してきた彼女は、自身の復活を飾った歌を堂々と歌い上げ、次いで「アイリス」を重みの乗ったボーカルで届けてステージを去る。そして沈黙が訪れるなか、先ほどまで藍井のイメージカラーであるブルーを灯していたステージライトが徐々に色を変えて、鮮やかなピンクへと変貌する。その意味するところに気づいた人たちが大きなどよめきと歓声を上げるなか、ポップアップから颯爽と登場したのは、SACRA MUSICにとって欠かせない存在であるLiSA。

「行くよ!」という声を合図に、まずは早くもアンセム化しているナンバー「ADAMAS」を投下し、空気が震えるような大合唱を巻き起こす。そこから立て続けに最新ヒット「紅蓮華」を畳みかけ、見る者の目を惹きつけて止まないその所作を含め、圧倒的な存在感と歌唱力で会場の熱気を掌握。その場にいた誰もが熱狂をもって彼女の姿を追いかける。

MCで「私もデビューしてまだ全然経ってない若造だと思っていたら、あっという間に9年目になりまして」(客席からの「えーっ!」という声に「おいおい、どういう意味だよ」とツッコんでいた)と挨拶を行う彼女。だが「ラストスパート、私だけじゃ終われませんよねー!?」と続け、ここでなんと藍井エイルを再び呼び込んでコラボレーションが実現! ふたりがまず歌ったのは藍井エイルの「IGNITE」。イントロの歌い出しからしなやかで力強い声を絡み合わせ、客席はまさかのコラボに大熱狂。歌詞の“撃ち放て”の部分で互いに向き合って銃を撃つような仕草をするなど、見た目でも熱く楽しませる。

その「IGNITE」終わり、SACRA BANDの演奏がフェードアウトしていくなか、LiSAとエイルはステージ中央でまっすぐに向き合って、互いに拳を突き出す。そう、ふたりが2015年5月に音楽番組「ミュージックステーション」に初出演した際、対面ステージでパフォーマンスしたときの場面の再現だ。

あれから4年、藍井は途中で活動休止という大きな波もあったが、復帰後、LiSAとレーベルメイトになり、そのSACRA MUSIC初の音楽フェスという大舞台において、こうして再びステージ上で気持ちを通わせあうことになった。そして彼女たちが最後に歌ったのは、その「Mステ」でLiSAが披露したナンバー「Rising Hope」。ときに交互に、ときに声を合わせながら、希望の歌を熱く紡ぎ合うふたり。“僕はキミと まだ見たい未来 あるんだよ”という歌詞がいつも以上に心に染み渡る。最後は手を取り合ってステージを周回し、ジャンプで締めくくり。その後、ふたりはステージ上で力強く抱擁を交わし、LiSAはエイルの耳もとでマイクを通さずそっと何かをつぶやく。そのメッセージが何だったのかは本人たちにしか知りえないことだが、そのときにエイルが浮かべた感無量な表情には心を打たれるものがあった。

両日ともに4時間を超え、全部で40曲以上が歌われた今回のフェス。SACRA MUSICというレーベルの、新人を含めた層の厚さ、ジャンルの多彩さを存分に実感できたのみならず、サプライズやこの先もファンの間で語り草となるであろうコラボレーションも実施され、日本の音楽シーンの新時代を見るようなワクワク感に満ち溢れていたように思う。イベントタイトルに冠された「NEW GENERATION」とは、レーベル所属の新人アーティストたちのことを指すのみならず、2017年4月に設立されたアニメ音楽シーンの新世代である「SACRA MUSIC」自体のことを表している――そんなことを強く実感せずにはいられないイベントだった。

Text By 北野 創(リスアニ!)Photography By 能美潤一郎、松本建彦

<SACRA MUSIC FES 【DAY1】SET LIST>
PENGUIN RESEARCH
01. WILD BLUE
02. 決闘
03. 近日公開第二章
ClariS / TrySail
04. コネクト
綾野ましろ
05. NEWLOOK
06. starry
07. ideal white
三月のパンタシア
08. ピンクレモネード
09. 青春なんていらないわ
輝夜 月
10. Beyond the Moon
スピラ・スピカ
11. スタートダッシュ
12. 恋はミラクル
幹葉(スピラ・スピカ)/ halca
13. 君色シグナル
halca
14. キミの隣
15. センチメンタルクライシス
斉藤壮馬
16. デート
17. フィッシュストーリー
斉藤壮馬 / 生田鷹司・堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)
18. ボタン
GARNiDELiA
19. SPEED STAR
20. REBEL FLAG
21. 約束 -Promise code-
22. 極楽浄土

-休憩(DJ MarGenal)-

=LOVE
23. =LOVE
24. 手遅れcoution
25. 探せ ダイヤモンドリリー
綾野ましろ / メイリア(GARNiDELiA)
26. vanilla sky
ReoNa
27. ピルグリム
28. SWEET HURT
29. forget-me-not
ASCA
30. RESISTER
31. 凛
ASCA / ReoNa
32. Overfly
SawanoHiroyuki[nZk]
33. Cage
34. sh0ut
35. ninelie
36. Unti-L
EGOIST(※シークレット exhibition出演)
37. 英雄 運命の詩
ClariS
38. irony
39. CheerS
40. ヒトリゴト
TrySail
41. センパイ。
42. azure
43. High Free Spirits
44. adrenaline!!!
藍井エイル(※シークレット出演)
45. アイリス
46. 流星
47. INNOCENCE

<SACRA MUSIC FES 【DAY2】SET LIST>
PENGUIN RESEARCH
01. WILD BLUE
02. 決闘
03. 敗者復活戦自由形
TrySail / ClariS
04. かかわり
綾野ましろ
05. NEWLOOK
06. 衝動
07. ideal white
三月のパンタシア
08. ピンクレモネード
09. パステルレイン
輝夜 月
10. Daity Party feat.エビーバー
スピラ・スピカ
11. スタートダッシュ
12. 恋はミラクル
幹葉(スピラ・スピカ)/ halca
13. アイヲウタエ
halca
14. スターティングブルー
15. センチメンタルクライシス
斉藤壮馬
16. デート
17. フィッシュストーリー
斉藤壮馬 / 生田鷹司・堀江晶太(PENGUIN RESEARCH)
18. ボタン
GARNiDELiA
19. ambiguous
20. REBEL FLAG
21. 約束 -Promise code-
22. 極楽浄土

-休憩(DJ MarGenal)-

=LOVE
23. =LOVE
24. 手遅れcoution
25. 探せ ダイヤモンドリリー
GARNiDELiA / 綾野ましろ
26. BLAZING
ReoNa
27. Rea(s)oN
28. SWEET HURT
29. forget-me-not
ASCA
30. RESISTER
31. KOE
ASCA / ReoNa
32. Startear
SawanoHiroyuki[nZk]
33. Cage
34. sh0ut
35. ninelie
36. Unti-L
EGOIST(※シークレット exhibition出演)
37. 咲かせや咲かせ
ClariS
38. irony
39. CheerS
40. カラフル
TrySail
41. WANTED GIRL
42. azure
43. adrenaline!!!
藍井エイル(※シークレット出演)
44. 流星
45. アイリス
LiSA(※シークレット出演)
46. ADAMAS
47. 紅蓮華
LiSA / 藍井エイル
48. IGNITE
49. Rising Hope

SACRA MUSIC FES.2019 本公演セットリストのプレイリストはこちら

関連リンク
SACRA MUSIC オフィシャルサイトSACRA MUSIC FES.2019 オフィシャルサイト

最終更新:6/7(金) 0:56
M-ON!Press(エムオンプレス)

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