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プラごみによる環境汚染、世界で深刻 国際的危機感広がり、G20前に政府が行動計画

6/7(金) 18:30配信

サイエンスポータル

 日々生産され、使われる便利なプラスチック。そして毎日大量に発生するプラスチックごみ(プラごみ)。こうしたプラごみによる環境汚染が国際的な問題になっている。特に海洋汚染は世界の海で深刻だ。今月28、29日に大阪市で開かれる20カ国・地域(G20)首脳会合では、各国がどのような対策を進めるか、が重要議題の1つになる予定だ。 議長国日本の政府はこのほど、海洋に流出するプラごみの削減に向けた行動計画(海洋プラスチックごみ対策アクションプラン)と、「プラスチック資源循環戦略」を決めた。

 プラごみは世界的に増加している。経済協力開発機構(OECD)の報告書によると、発生量は2015年に年間3億200万トン。海への流出量は10年段階の推定で年間400万~1200万トンに上った。環境省によると、流出量の上位は中国、インドネシア、フィリピンの順。日本からも最大推定量で年間6万トンが流出し、30位だ。

 ごみが観光や漁業などに与える損害は年間130億ドルに及ぶと指摘されている。50年には海のプラごみ量が魚の総量を超えるとの予測もある。海洋汚染だけでなく、魚介類の食物連鎖を通じて人体に悪影響を与えるとも指摘されている。海に流されたプラごみは紫外線や波の力によって5ミリ以下に砕けてマイクロプラスチック(MP)になる。これが魚介類に取り込まれ、食物連鎖によって人間を含む多くの動物の体内に入る恐れがあるという。魚類のほか、海鳥、アザラシなどの海洋ほ乳動物を含む600種以上の生物が傷つけられたり死んだりしているという指摘もある。

 先進国、新興国を問わず世界のプラスチック生産量は増えていながら、リサイクル率は生産量の10%台と推定されている。生産量を抑えないと、2050年までに世界中で生産されるプラスチック量は200億トンとも300億トンとも言われる。生産量の増加に伴ってプラごみの発生量も増え、15年段階ではあらゆるごみの3~4%に当たるという。このままでは取り返しがつかない環境悪化が予想される―。こうした危機感が世界の多くの国で共有され、各国とも真剣にプラごみ対策を進めざるを得ない事態になっている。

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最終更新:6/7(金) 18:30
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