ここから本文です

市場での存在感が増す日本ワイン、繊細な日本の風土を表現し海外でも高い評価

6/7(金) 20:06配信

日本食糧新聞

国産ブドウだけを使い国内で造る「日本ワイン」の存在感が増している。2018年施行の新表示ルールを機に、小売店では売場構築が進む。国内ワイン市場が伸び悩む中、ワインユーザーの裾野を広げる原動力として期待が大きい。一方、10月の消費増税と2020年のワイン増税により、消費が落ち込みかねないと身構える声も多い。

ワインユーザーの裾野広げる原動力に

2018年の国産ワインの課税数量は、前年比3%増の約12万キロリットルとなった。輸入ワインは約7%減となり、ワイン計では4%減と前年を割った。2019年1~4月の国産市場は2%減程度で推移したもよう。年間では前年並みで推移しそうだ。

2019年2月発効の日本と欧州連合の経済連携協定(EPA)は、海外原料を使った国内製造ワインにとって逆風だったとみられる。

日欧EPAを機に、関税が撤廃された欧州産の取り扱いが小売店頭で増えた半面、国内製造ワインの棚が減少傾向となった。ワインユーザーの間口が広がらなければ、輸入ワインが増加しても国産ワインが縮小し総市場は伸びない。

酸化防止剤無添加やポリフェノールといった機能性価値を持った国内製造品は、輸入ワインにはない価値として受け入れられ需要が底堅い。酒類各社は、国内製造の主軸として提案を強化する方針だ。

日本ワインの出荷数量は、2017年に約173万ケース(720ミリリットル×12本換算)となり、2014年と比べて約7%増えた。2018年の日本ワイン市場は好調に推移したもよう。過度な成長は欠品リスクを招くため、年5~6%のペースで成長するのが望ましいとの意見もある。

国内ワイナリー数は300場を突破した。日本ワイン市場は、日本ワイン人気の高まりを受け裾野が拡大し、1人当たりの飲用量も拡大したもよう。料飲店での取り扱いや小売店での露出が増えた。

日本ワインは繊細な日本の風土を表現したワインとして海外の品評会でも高い評価を獲得するなど、品質向上が進んでいる。海外産ワインと比べ、物語性を理解しやすく、ブランドに親しみを感じやすいことが、日本の消費者に受け入れられている要因と考えられる。

踊り場と指摘される国内ワイン市場だが、メルシャンの長林道生社長は、日本ワインを「市場活性化の最大の鍵」と位置付ける。ワインの多様さを打ち出す一つの切り口として、ワイン市場全体の活性化につなげていきたい考え。

日本ワインのシェアは国内ワイン市場の約4%といまだ小さいが、飲酒人口減少や高齢化により国内酒類市場が縮小する中で、中長期的に伸長する成長カテゴリーと期待される。

1/3ページ

最終更新:6/7(金) 20:06
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ