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イラン、ギリギリの対米瀬戸際戦術

6/8(土) 17:18配信

産経新聞

 【カイロ=佐藤貴生】イランは、安倍晋三首相の調停に向けた意欲を歓迎しているもようだ。ただ、米国側が求める核・弾道ミサイル開発の中止や周辺国への影響力拡大の停止は、イランにとって体制の存亡にかかわる問題だ。現時点でイランが根本的に態度を改めるとは、考えにくい。

 調停の努力は、米国に批判的な国際世論の形成にも利用されかねない情勢だ。

 核合意の交渉を主導したロウハニ大統領らは、「締結の見返りに制裁が解除されてイランの経済が上向く」と主張していた。だがトランプ米政権が合意を離脱して制裁再開に転じ、経済低迷に拍車がかかった。

 このため、イランの指導層では反米の保守強硬派が勢いを増し、調停の成否は未知数なのが実情だ。

 イランは先月8日、核合意の一部不履行を表明した。合意の当事国、英仏独に経済関係の維持を促す捨て身の戦術。ただ、米制裁への抵触を恐れる欧州企業は取引継続に消極的だ。

 イランは7月上旬に核合意を超える濃度のウラン製造に着手するとしており、実行すれば明白な合意違反となる。頼みの欧州も批判一色に染まることは必至で、ギリギリの瀬戸際戦術に着地点は見通せない。

最終更新:6/8(土) 20:22
産経新聞

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