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「住宅ローンを払えなくなった」現役銀行員が教える3つのアドバイス どれも本気で大変です。

6/8(土) 8:02配信

マネーの達人

「住宅ローンが払えなくなったら、どうしよう?」
住宅ローンを返済中の人、あるいはこれから住宅ローンを検討している人、誰もが感じる心配ごとです。

不幸なこと、困ったことは誰にでも、そして突然降りかかってくるものです。

住宅ローンを払えなくなったら、どうしますか?

銀行員が考える最善策は「リスケ」

「勤めている会社から急にリストラされた」
「大きな病気をして会社を長期間休んだ。有給休暇も使い果たし、収入が途絶えてしまった」

「家業のためにと頼まれて親の保証人になったが、倒産して多額の負債を負ってしまった」

これらは私自身が窓口で聞いた、実際にあった例です。

そして、この相談すべてに「リスケ」で対応しました。

■リスケ【リスケジュール(reschedule)の略】
「スケジュールを組み直す」、「計画を変更する」といった意味です。

現在はネットでも良く使われて、一般にも認知されています。

銀行の場合は、住宅ローンや事業資金借入の返済条件見直しを「リスケ」と呼んでいます。

さまざまな事情で返済が困難になった人のローンを、無理なく返せる金額まで一時的に減らす、これがリスケの主な方法です。

ここからは、まず「住宅ローン返済に困った時の対処法3選」として、ネット記事で紹介されているそのほかの方法とあわせて、リスケについても説明します。

住宅ローン返済に困った時の対処法3つ

検索エンジンで「住宅ローン」と入力し、次にスペースを押すと「住宅ローン 払えない」がでてきます。

それだけ関心が高いのだと思います。

検索上位の記事を並べると

・ 任意売却
・ 債務整理
・ リスケ
ここからは、まずこれを「住宅ローン返済に困った時の対処法」として、それぞれ言葉の意味とメリット、デメリットを簡単に説明していきます。

1. 任意売却

任意(にんい)売却(ばいきゃく)(略して任売(にんばい))とは、一般的な不動産売買のことです。

不動産業者など専門家の仲介で売主を探して売却するという、ごく普通の取引です。

なお対義語として「競売(けいばい)」(きょうばい、ではなく銀行や法律用語では「けいばい」と読みます)があります。

住宅ローンが破綻すると自宅は銀行のものになり、銀行は自宅を強制的に売却する、これが競売(けいばい)です。

■メリット
任意売却は、基本的に競売(けいばい)よりも高く売れます。

競売(けいばい)は専門業者が扱う特別な取引なので、売却価格は相場より極端に安くなります。

事前に家の所有権が銀行に移っているので競売では、売れても自分にお金は入りません。

しかし一般的な売買である任意売却なら、自分の希望する価格になるまで待てますし、例えば任意売却のサイトでは「ローンの残額より高く売れる可能性があります」という記載もあります。

■デメリット
自宅を手放すので、

任意売却ではもう一度住宅ローンを借りることができるか?
が問題になります。

そもそもリストラや病気が原因で、ローン返済できなくなったから任意売却に踏み切ったのです。

そういった状況の人が新しく住宅ローン借りることは、非常に厳しいと思われます。

もう一度自宅を持ちたいと考えるなら、売却に踏み切る前に自分が借入可能か調べておく必要があります。

また、希望する価格で売却できる人は決して多くない、という点も重要です。

そうなると売却してもローン残高に足りず、家を手放したあとも残ったローンを払い続けなければいけないので、注意が必要です。

不動産の売買では、売主・買主がそれぞれ不動産業者に依頼しているのが一般的です。

売主は高く売りたい、買主は安く買いたい、これは誰でも考えることですが、事情を察した買主側に足元を見られ値引きを求められることがあります。

■任意売却で実際にあるパターン
値段で折り合いがつかず、買主が見つからないまま時間だけがどんどん過ぎていく


不動産業者からは、売買できなければ報酬がもらえないので、業者は早く売らせたいので「もうこの値段で手を打ったらどうですか?」と言われる


ローンは返済できず、毎月延滞が重なっていく


仕方なく、ローン全額にはとても足りない金額で売るハメになってしまう

住宅ローンは自宅に担保を設定していますので、全額返済できない値段では銀行が任意売却に応じてくれない場合がありますので注意してください。

■この方針をとる理由
私の銀行もこの方針で、それは

・ 自宅を手放し、なおかつ住宅ローン返済を続けさせたくない

・ 担保が無くなってしまうので、残った住宅ローンが回収できなくなるリスクが高くなる

という2つの理由があるからです。

銀行によって対応が違いますので、確認が必要です。

■任意売却の実例:「タイムリミットに間に合わなかった」
大きな病気をして長期入院、職を失い収入が途絶え、

「返済が苦しくなったので、早く売却したい」というお客さまのリスケ対応をしました。

お客様は少しでも早く売りたかったのですが、住宅ローン残高ほどの値段がつかず売却が進みませんでした。

数か月が過ぎたある日のこと、奥様が来店されて「夫が死亡しました」とご報告がありました。

なかなか売却が進まず、その心労からか病気が再発して入院され、治療の甲斐無くお亡くなりになったとのことでした。

住宅ローンでは団体信用生命保険(住宅ローン団信)という生命保険に加入するのが普通で、このお客様も加入していました。

ローンを借りている人が死亡すると、保険でローン全額が完済される仕組みです。

このお客様も手続きをして、保険金で住宅ローンが完済となり、結果的には自宅を売らずに済みました。

奥様はこうおっしゃいました。

「病気が再発して死んでしまって、結果的にはローンが無くなり、自宅も残してもらいましたが、夫は自分の命のタイムリミットには間に合わなかったんですね」
 
私はなんと申し上げて良いかわからず、しばらく黙り込むしかありませんでした。

残された家族のことを思うと、ハッピーエンドと言えるのだろうか? ご本人はどんな思いだったのか? と、いろいろと考えさせられたケースでした。

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最終更新:6/8(土) 8:02
マネーの達人

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