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「世界で最も患者数の多い病気」とは? 生活習慣病や認知症との関係も

6/8(土) 9:00配信

Medical Note

「世界で最も患者数の多い病気」が何か、ご存じでしょうか。世界一の記録を集めた「ギネスブック」に2001年、「世界で最も一般的な病気」として掲載されたのが歯周病です。歯周病は歯茎に炎症が起こり、歯を支える骨が破壊される病気ですが、その害は口の中にとどまらず、認知症や糖尿病、動脈硬化の原因になるなど全身に及ぶことが近年、明らかになっています。国民病ならぬ“地球人病”ともいうべき歯周病とはどんな病気で、地球にいながら逃れるすべはあるでしょうか。【興学会新橋歯科診療所院長・白井清士/メディカルノートNEWS & JOURNAL】

◇思い当たる症状があれば歯周病?

・歯茎にかゆみがある
・口臭がある
・朝起きた時に口の中がネバネバしている
・歯茎が腫れて浮いた感じがする
・食事の時に歯に痛みを感じるようになった
・リンゴをかじると歯茎から出血する
・歯磨きをすると歯茎から出血がある
・歯茎が腫れて色が黒ずんでいる
・歯に動揺がある(触ると歯が動くのを感じる)

これらはいずれも歯周病の症状で、上から順に進行していることを示します。どれか1つでも当てはまれば、すぐに歯科医院へ行ってください。

先に紹介したギネスブックでは、歯周病を「この惑星上で、この症状から逃れることができる人はほとんどいない」と説明しています。「ほとんどいない」はややオーバーですが、厚生労働省が2011年に行った「歯科疾患実態調査」によると、日本の成人の8割以上に歯周病の症状があったと報告されています。そして、歯を失う原因として最も多いのが歯周病なのです。

◇歯周病とはどんな病気?

歯周病は、唾液感染する細菌によって引き起こされる感染症です。「サイレント・ディジーズ」と呼ばれ、気が付かない間に大きく進行していきます。

ヒトの口の中には約700種の細菌がすみついています。これらの細菌が集まって、歯の表面でスクラムを組んでへばりつき、その中でどんどん増えていきます。このへばりついた細菌を「歯垢(しこう)=デンタルプラーク」といい、1gの歯垢の中には1000億もの細菌が確認できます。

歯と歯茎の境界にへばりついた細菌が歯肉の細胞にまで入り込み、歯茎が炎症を起こして腫れたり、出血が始まったりします。これが歯周病の第1段階で「歯肉炎」という症状です。

炎症が進むと歯と歯茎に隙間(すきま)ができ、奥へと広がっていきます。この隙間を「歯周ポケット」といいます。その深さを測ることで歯周病の進行度を知ることができます。

歯肉炎がひどくなると病名が「歯周炎」に変わります。歯周炎は歯肉だけではなく、歯を支えている骨(歯槽骨)が溶け始めた状態です。初期では、腫れてかゆみなどを感じ歯磨きの時出血したりします。症状がさらに進むと、歯茎の色が赤紫や黒っぽく変わり始め、口の中がねばつき、口臭が出てきます。それを過ぎて歯がぐらつき始め、見た目でも歯茎が下がったのが自覚できる状態になると重度の歯周病で、やがて歯が抜けてしまいます。

歯周病には、15~30年かけて進行する慢性歯周炎と、2~10年で進行する侵襲性歯周炎があります。このうち侵襲性歯周炎は、全体の10%未満で10~30代で発症し進行が早いのが特徴で、遺伝的要因の関与も考えられています。

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最終更新:6/8(土) 9:00
Medical Note

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