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深刻バス運転手不足 続行便出せない、人手不足倒産… 女性&若年層活用へ業界に変化も

6/8(土) 15:02配信

乗りものニュース

「バス運転手不足」は被災地から始まった

 バス運転手(乗務員)不足が深刻です。全国の路線バスで、運転手不足を理由に減便が相次いでいます。高速バスでも、週末に需要はあるのに続行便(2号車以降)を設定できず満席で発売を打ち切るとか、貸切バスでは、遠足シーズンなどに車両はあるのに運転手不足から受注を断るといった例が、多くの事業者で常態化しています。

【表】数字で見るバス業界 タクシーやトラック業界と比較すると…?

 そのため、各事業者による運転手採用の動きは活発です。2019年5月18日(土)、東京・新宿で開催されたバス運転手専門の就職イベント「どらなびEXPO」(求人サイト「バスドライバーnavi(どらなび)」が主催)では、61社がブースを出展して自社の魅力をアピールしました。筆者(成定竜一:高速バスマーケティング研究所代表)は、バス運転手を目指す参加者(約400人)向けの講座などを担当しましたが、みな真剣にメモを取りながら聞いてくれるなど、会場は熱気に包まれていました。それでも運転手不足が解消しないのには、どのような理由があるのでしょうか。

 バス運転手不足が最初に問題となったのは、2011(平成23)年の東日本大震災直後、宮城県を中心とした被災地でした。復興需要により、資材運搬トラックなどに乗務するほうが、バスよりも待遇がよくなったことが背景にあります。その後、製造業の国内回帰などの影響を受け、2014年ごろからはバスに限らず全国的に職業運転手の不足が顕在化しました。

 この問題を考える際にまず重要な点は、特定の産業の問題ではなく、この国全体で人手が不足しているという点です。各年齢の人口が250万人近くいる「団塊の世代」(1947~49年ごろ生まれ)の定年退職が済んだ一方、現在の20代は、各年齢120万人前後しかいません。生産年齢人口の急減少という構造的な問題なのです。宅配便やコンビニから製造業まで、あらゆる業界での人手不足のニュースが毎日のように報じられています。

 そうしたなか、バス業界では車両数が増加しています。貸切バス分野の規制緩和(2000年)により新規参入が続き、事業用バス(乗合バス、貸切バス)の総数は、それから17年間で19.5%も増加しました。これは、必要とされる運転手の数が約2割増えたことを意味し、それぞれの事業者単位でみると、人手不足という結果につながります。

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最終更新:6/10(月) 13:07
乗りものニュース

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