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20歳怪物サニブラウンが日本新9秒97!カール・ルイス氏絶賛/陸上

6/9(日) 7:00配信

サンケイスポーツ

 陸上・全米大学選手権(7日、テキサス州オースティン)男子100メートル決勝で20歳のサニブラウン・ハキーム(フロリダ大)が追い風0.8メートルの条件下、9秒97の日本新記録をマークした。2017年9月に桐生祥秀(23)=当時東洋大、現日本生命=が出した9秒98を0秒01更新し、日本勢初となる2度目の9秒台で3位。200メートルでも追い風0.8メートルで日本歴代2位の20秒08で3位となった大器が、2020年東京五輪ファイナリストへ弾みをつけた。

 日本の20歳が陸上大国の歴史にその名を刻んだ。好敵手と競り合いながら、サニブラウンが疾走する。「9秒97」。日本勢初となる2度目の9秒台。日本最速の称号をつかんで口にした言葉に大物感が漂った。

 「あまり実感はない。(後半に)ちょっとストライドが伸びてしまった。もうちょっと、いいタイムが出たと思う」

 晴天、湿度45%、追い風0・8メートルと好条件が整った。2走を担った400メートルリレーで今季世界最高の37秒97を出してから50分後。9秒台の自己記録を持つ選手が4人そろう100メートルのスタートラインに立った。

 号砲の反応速度は8人中7番目の0・198秒。出足の遅れを取り戻すように、中盤から加速する。今季世界最高に並ぶ9秒86で制したテキサス工科大のディバイン・オドゥドゥル(22)=ナイジェリア=らを捉えきれなかったが、勢いよくゴールへ。学生の世界最高峰ともされるレースで表彰台に立ち「日本でこんな体験はめったにできない。こっちに来て良かった」と汗を拭った。

 かつてのこの大会の王者で、五輪での金メダル量産で日本でも有名なカール・ルイス氏(57)は「彼は素晴らしいアスリート」と高く評価した。現在は母校、ヒューストン大のコーチを務めており、現地でレースを見守った。「この大会は過小評価されているが、世界大会と同じくらいの大会。ここでうまくやれたら、他でもやれる」と今後の活躍に太鼓判を押した。

 サニブラウンが東京・城西高2年時の2015年7月に出した100メートルの自己ベストは10秒28。わずか4年で0秒31もタイムを縮めた。強豪フロリダ大では、多くの五輪メダリストを育てた米国出身のマイク・ホロウェイ監督に師事。「(日本と)考え方が全く違う」という“短時間集中型”の個別メニューで、苦手なスタートを中心に鍛えてきた。同僚のグラント・ホロウェイ(米国)は男子110メートル障害で今季世界最高の12秒98をマーク。恵まれた環境で力を伸ばし「いろいろな人がいてここまで来られた」と感謝する。

 条件は異なるが、16年リオデジャネイロ五輪に当てはめれば9秒97は7位に相当する。日本勢における五輪の100メートル決勝進出者は、1932年ロサンゼルス大会で6位入賞した「暁の超特急」こと吉岡隆徳ただ一人だ。

 100メートル決勝からわずか45分後に行われた200メートル決勝で、日本歴代2位の20秒08をたたき出し、3位に入った。自己ベストを0秒05更新。日本勢初の19秒台をうかがう勢いで、リオ五輪に当てはめれば20秒08は3位に相当する。1時間半で臨んだ3レースで強烈なインパクトを残した。

 2020年東京五輪では100メートルで日本勢88年ぶり、200メートルで初の決勝進出に期待が高まる。「まだ今後も速いタイムが出ると思っているので、その都度更新していければ」とサニブラウン。目標は「地上最速」と語る若き怪物の可能性は限りない。

最終更新:6/9(日) 8:11
サンケイスポーツ

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