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N.Flying、東名阪全公演ソールドアウトに確かな手ごたえ 「少しだけ、武道館の背中が見えてきた」

6/10(月) 10:15配信

エキサイトミュージック

韓国出身の4人組ロックバンドN.Flying(エヌフライング)が6月7日、東京・新木場STUDIO COASTで『N.Flying 2019 LIVE IN JAPAN -BROTHERHOOD-』を開催した。これは、5月22日にリリースした、日本1stアルバム『BROTHERHOOD』を携えたライブ。そのアルバムにも日本語バージョンが収録された「Rooftop」が韓国の音楽チャートで1位となり大ブレイクを果たしてから初の来日公演とあり、追加公演の愛知・DIAMOND HALL、大阪・BIG CAT含めて、3公演すべてのチケットがソールドアウトとなる盛況ぶりだった。

さらに東名阪を周りながら同時開催された1stアルバム発売記念リリースイベントも大盛況のうちに終了。最終日はタワーレコード渋谷店地下1階で行われたものの、9階から地下3階までの大行列となり、終了予定時刻より4時間も押すほどの状況となった。しかしメンバーは終始ファンを温かい笑顔で迎え、Twitter上では「9時間の神対応」と絶賛する声で溢れた。

アルバム『BROTHERHOOD』のインタビューでもしきりに「ライブができて幸せ」、「早くライブがしたい」と語っていたメンバーたち。このライブでもその、「ライブができる幸せ」にひたり、そしてSTUDIO COASTというN.Flying史上最大キャパを満員にしたファンにもその幸せをふりまく。この場所にいる誰しもが音楽でひとつになって、幸せを共有した夜となった。

N.Flyingは、2019年の韓国音楽界のシンデレラボーイだ。年明けすぐにリリースした「Rooftop」が活動終了後にじわじわと口コミで広がり、発売から1ヶ月半後にチャートを逆走して彼らにとって初めての音源(配信)チャート1位を獲得。3月に異例の放送活動再開で音楽番組でも初の1位となり話題となった。今一番ホットなスターである彼らを待ちわびるファンの熱もすさまじく、オープニングSEが流れだした途端に「ワー!」という大歓声とともに拳が上がり、メンバーたちを迎え入れた。

今回のライブでは、イ・スンヒョプ(Vo,Rap)、チャ・フン(Gt)、キム・ジェヒョン(Dr)、ユ・フェスン(Vo)に加え、先輩であるFTISLANDのイ・ジェジンがサポートベーシストとして参加。メンバーが登場して、イントロと共に「What's Up Tokyo! Make Some Noise!」とスンヒョプが叫ぶと、『BROTHERHOOD』に収録された「The World Is Mine」「Lupin」を立て続けにプレイ。ツインボーカルの厚みと疾走感あふれるリズムに合わせて、フロアからステージに向かって手が伸びる。スタートからこれほどの一体感が生まれるのは、彼らにとっても初めてかもしれない。

セットリストは、アルバム『BROTHERHOOD』全曲を披露する構成で、そこに彼らのライブのテッパン曲を織り込む。そして中間には、フェスンが加入してからの定番となっている趣向を凝らした選曲とN.Flyingらしいアレンジが冴えるマッシュアップメドレーが挟み込まれた。

今回披露されたメドレーは、彼らが今年2月に開設した日本専用YouTubeチャンネルでも公開されている「Queen Medley」。フレディ・マーキュリーを模したマイクスタンドバーを手にしたフェスンは、「やりたいことがあるんです」と、映画『ボヘミアン・ラプソディ』の「エーオ」のコール・アンド・レスポンスをフロアのファンと楽しむ一幕も。

そしてスンヒョプとフェスンが黒のハットを被って歌い始めたのは、今回のライブのために準備した「Michael Jackson Medley」。フェスンが「カヴァーは楽しいし、勉強になります」と言っていたが、このYouTubeチャンネルではフェスンが「歌ってみた」というシリーズであいみょんや米津玄師などの日本語曲のカヴァーも披露している。フェスンというボーカリストの歌の上手さと音域の広さ、そして表現力が加わり、N.Flyingは音楽的な自由を手に入れた感がある。

そしてフェスンと対をなすボーカルのスンヒョプは、ボーカルだけでなくラップもこなす。スンヒョプがいることでボーカルの厚みと、N.Flyingらしいミクスチャー・サウンドが成立する。ツインボーカルというのがN.Flying最大の武器だ。スンヒョプはまた、「Run」や「Michael Jackson Medley」の「Heal the world」ではピアノを、そして「Delight」ではアコースティックギターをプレイする多才さに加え、大ヒット曲「Rooftop」の作詞作曲をはじめ、アルバム『BROTHERHOOD』のメインソングライターも務め、音楽的な才能も開花させた。

そしてガンズ・アンド・ローゼズのスラッシュと、アルター・ブリッジのマーク・トレモンティを敬愛するギターキッズのフンが繰り出すハードなギター、ドラマーなのに一番愛嬌をふりまき曲中で見どころまで作り出すムードメーカーのジェヒョン。ライブを見ると、『BROTHERHOOD』というアルバムタイトルそのままの4人の仲の良さと音楽的な絆の高まりが、N.Flyingを一段高いステージに押し上げた理由なのだと感じる。

N.Flyingは、「Rooftop」の活動から4人体制になった。そのことに関してフンが「ずっと皆さんに、ご心配かけてごめんなさいと言いたかった。今年のはじめは、大きなターニングポイントになりました。一緒に夢を追いかけた兄弟みたいなメンバーが抜けて、胸が痛かったし、ずっと応援してくれる皆さんのことを考えるともっと胸が苦しくなったけど、皆さんの声に助けられました」と言うと大きな拍手。「もっといい音楽、いいライブで恩返ししたいです」とファンに感謝を伝えた。

今回、その欠けたベースのポジションを埋めてくれたジェジンは、デビュー12年の大ベテランだ。FTISLANDという百戦錬磨のライブバンドのメンバーと一緒にプレイすることでN.Flyingもまた、ジェジンから何かを受け取ったはずだ。

そんなジェジンに対してジェヒョンが、「何で恩返しをすればいいですか?」と尋ねると、ジェジンは「12月に『FNC KINGDOM』があるじゃん。うち(FTISLAND)のボーカルがどっか(軍隊)に行っていないけど、僕とスンヒョン(ギター)とミンファン(ドラム)は出る。今回は僕が助けてあげたから、次は俺らのことを助けて! それでちゃら」と提案。『FNC KINGDOM』では、N.FlyingとFTISLANDのBROTHERHOODも深まりそうだ。

中盤には韓国の最新曲「Spring Memories (春めいて)」を披露。活動曲で初めてアコースティックギターをメインにした柔らかなこの曲では、会場から大きなファンコールが上がった。終盤はフェスンがN.FlyingとN.Fia(ファン)を繋ぐ応援ライトを赤い星に例えてファンへの感謝の気持ちを歌詞にした「Delight」からスタート。韓国デビュー曲「ギガマッキョ」の日本語バージョンなど懐かしの曲も披露された。

そしてMC中にファンへのサプライズとして11月のシングルリリースと、初のホールライブとなる中野サンプラザ2Days公演を発表。フンが「もう曲を作り始めていて、ダブルタイトル曲になります。リリース記念ライブは、中野サンプラザ。やっとホールにたどり着きました!」と喜びを露わにすると、スンヒョプが、「皆さんのおかげでいい形で階段を昇っています。ほんの少しだけ、武道館の背中が見えてきました。少しずつ、でも着実に昇っていきたいです。僕たちと一緒に夢を見てくれますか? 今日という日を一生忘れません。Stand By You! Stand By Me! これからも僕たちのそばにいてください!」と力強くまっすぐに言葉を紡ぐと、アルバムのリード曲「Stand By Me」に突入。ドラムのリズムに合わせて「Hey!」という声がフロアから上がって始まった「Endless Summer」でイッキに一体感を高めると、ラストにスンヒョプが投げキッスして「最後はこの曲と決めていました。皆さんが1位をプレゼントしてくれたこの曲のおかげで、僕たちは生まれ変わりました。皆さんの応援が今の僕たちとこれからの僕たちの夢に繋がっています。本当にありがとうございます!」と感謝を伝え、「Rooftop -Japanese ver.-」を熱唱。会場の熱いシングアロングでこの日最高の盛り上がりと共に本編を締めくくった。

アンコールでは「皆さんがいてくれたから今日がある。これからも赤い光(応援ライト)で僕たちを照らしてください」(フェスン)、「先輩のオープニングアクトをしたとき、ステージから見た客席の光が宇宙に浮かぶ星のようでした。今日はN.Flyingの宇宙が見られた。これからもキラキラ光るN.Flyingの宇宙でいてください」(ジェヒョン)、「大きな場所でライブをしても、心にはいつも2013年に初ライブをした渋谷Cycloneの景色が浮かびます。初心を忘れずに成長したい」(フン)、「名古屋と大阪では、パワーを伝えたいと言いましたが、逆に皆さんにパワーをもらいました。ライブで力になれるバンドになりたい」(スンヒョプ)と、一人ずつ感謝の言葉を述べると、最後にサポートのジェジンが、「これからスゴいバンドになれるように、N.Flyingにたくさんの愛をお願いします」と暖かな言葉をファンに伝えた。

アンコールの「Leave It」「Fall With you」「Songbird」の3曲を終え、全員がステージの中央に集まると、再び大きな「アンコール」の声が止まず。スンヒョプが「初めてのシチュエーションなので……」と困惑しながらも「でもステージを長くやれるのは幸せです」と全員で集まって相談をしてダブルアンコールとして「Stand By Me」を演奏しはじめると、フロアから「ワー!」という歓声が上がり、またもや異様な盛り上がりを見せる。フェスンは客席にマイクを向け、嬉しさを爆発させるように力強いシャウトを響かせ、スンヒョプは「サイコー!」と言いながらサムズアップを向けた。最後は全員がステージのセンターに集まり、オフマイクで「以上、N.Flyingでした!」とあいさつをすると、サポートをしてくれたジェジンを全員で囲んでハグをして感謝を伝えた。

2013年からN.Flyingとして日本でインディーズ活動を始めて、苦節6年。これまでの熱い想いがあふれ出たライブだったが、そこにはファンへの感謝と、メンバーとの強いBROTHERHOODが見えた。数年後に振り返ると、今回のライブが彼らにとってのマイルストーンになっているだろう。
(取材・文/坂本ゆかり)

■セットリスト

1. The World Is Mine
2. Lupin
3. The Real
4. Wanna Be
5. Hot Potato
6. Run
7. R U Ready?
8. Queen Medley
9. Michael Jackson Medley
10.Spring Memories ~春めいて~
11. HOW R U TODAY
12. Color
13. Delight
14. Pinhole
15.ギガマッキョ -Japanese ver.-
16. UP ALL NIGHT
17. Stand By Me
18. Endless Summer
19. Rooftop -Japanese ver.-
20. Leave It
21. Fall With you
22. Songbird
<ENCORE>
23. Stand By Me

■ライブ情報

【N.Flying 2019 1st Hall Live in Japan】
2019年11月28日(木)29日(金)中野サンプラザ

■■FNCオフィシャル最速先行
2019年6月7日(金)~8月19日(月)


■イベント出演情報

【2019 FNC KINGDOM - WINTER FOREST CAMP-】
2019年12月21日(土)22日(日)幕張メッセ 国際展示場 9-10Hall

最終更新:6/10(月) 10:30
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