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【いだてん】大正時代のさまざまな“女の生き方”描き反響

6/10(月) 14:27配信

オリコン

 9日にNHKで放送された大河ドラマ『いだてん~東京オリムピック噺(ばなし)~』(毎週日曜 後8:00 総合ほか)の第22回「ヴィーナスの誕生」では、大正時代のさまざまな“女の生き方”が描かれ、「今の女性が置かれている状況と何一つ変わっていない」「現代を風刺」しているなど、反響を呼んでいる。

【写真】まるでドラクロワの「民衆を導く自由の女神」

 女子スポーツの始まりと偏見との闘いが描かれた“女子回”。冒頭では、真打昇進を果たしてもすさんだ生活を送る孝蔵(森山未來)と見合いして、結婚したおりん(夏帆)が登場。親の言う通り素直に嫁に行き、酒、女、博打をやめないクズ夫に素直に従うのも、女の生き方。

 一方、東京府立第二高等女学校に赴任した金栗四三(中村勘九郎)との出会いによってスポーツに目覚めた女学生たち。村田富江(黒島結菜)と梶原(北香那)はテニスで頭角を現し、手作りのユニフォームも話題になって、一躍、全国的な人気を博すアイドルに。

 そんな富江たちが岡山に遠征した際、出会ったのが人見絹枝(菅原小春)。後に日本人女性初のオリンピックメダリストとなる人物だが、周囲から背の高さを男みたいだと笑われ、「『化け物じゃ』と言われるけ、勝ってもうれしゅうねぇ」と女子離れした体格へのコンプレックスを募らせていた。

 そして、第21回で、百貨店勤めの増野(柄本佑)と結婚したシマ(杉咲花)は、教師の仕事もスポーツも志半ばで妊娠したことを素直に喜べずにいた。それを「でかしたばい!」と祝福する金栗夫妻。「今の女性が置かれている状況と何一つ変わっていないのが、また辛い」「シマちゃんの悩み、現在の女性も同じ、出産と、仕事、キャリアの事。そんなとき『でかしたばい!』と背中を押して祝福してくれる社会でいてほしい」と共感を誘った。

 恋した相手に妻子がいることを知り、女子体育の振興に身を捧げる決意をした女性も。二階堂体操塾(現・日本女子体育大学)を設立し、「女子体育の母」と称される二階堂トクヨ(寺島しのぶ)。剃髪してカツラで過ごしていたというのは、実際のエピソードだ。

 金栗が女学生たちから尊敬の念を込めて「パパ」と呼ばれていたことも実話。前半、妻・スヤ(綾瀬はるか)の前で金栗が富江たちから「パパ」「パパ」と呼ばれるシーンをコミカルに描きながら、富江の本物の“パパ”、村田大作(板尾創路)をクライマックスで登場させた展開も絶妙だった。

 富江が運動会で靴下を脱ぎ、素足に靴をはいて競技に参加した写真が新聞に載ったり、美川(勝地涼)が露店で写真を売りさばいていたり。大作は娘が「好奇の目にさらされた」と激怒し、学校に抗議しにやってくる。そこでの金栗の反論が熱かった。

 「男が悪か! 女子には何の非もなか! 男が目隠しをしたらどうですか!!」「あんたらがそぎゃんだけん女子スポーツは何も普及せん!」「日本記録出した娘を、なーし、ほめてやらん」といったせりふの一つひとつが、中村勘九郎の熱演もあって響いた。

 挙げ句、大作は署名を集めて、金栗の退任を要求。学校側も有力者である大作になびくという有様に、「昔から何も変わってない」と嘆く声も。そんな中、立ち上がったのは富江ら女学生たちだった。「女だからって何なんですか!」「女らしさなんて誰が決めたの! 男でしょ! だったら男らしさも女に決めさせるべき!」と教室に籠城。

 「竹早」の旗を持って仁王立ちする富江の姿に、ドラクロワの名画「民衆を導く自由の女神」をイメージした人も多かった。「フランスの選手に憧れる女の子たちが、フランス革命の絵画のようになっている」秀逸な脚本と演出。

 「女らしさって何だろう 考えさせられるねぇ」「本当に信じられないくらいタイムリーな話だった。なぜ昔の話がこんなに現代を風刺するんだろう。時代が変わっても価値観は何も変わっていないということなのか」「男が女性らしさを決めるなら、男らしさを女に決めさせろ。これを男性の宮藤官九郎が書くんだもんな。すごいとしか言えないわ」などと、多くの視聴者が心動かされていた。

最終更新:6/16(日) 12:25
オリコン

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