ここから本文です

肉向け「きざみわさび」が市場の成長に貢献

6/10(月) 13:00配信

日本食糧新聞

加工わさび市場は、家庭用が回復基調となり、業務用は海外メーカーとの競争激化が懸念される状況だ。共通して好調といえるのが、精肉類をターゲットとした「きざみわさび」類と海外への輸出。輸出は各メーカーが本格的な取組みを開始し、着実に売上げを伸ばしている。今後はエスビー食品が発売しているグルテンフリーのわさびのような、各国の需要に合致した商品設計が求められることとなる。

家庭用わさびの主力品は堅調に推移

家庭用では大容量タイプに新たな動きがあった。エスビー食品が昨年に二重構造容器を投入。ハウス食品は今年から4本分の量となる「大容量ねりスパイス」を発売。この分野はここ10年で4倍強の規模に成長し、一層の拡大が期待される。業務用は中国の加工メーカーが加工わさび製品を製造し、日本への進出を始めている。今後は海外メーカーとの競争も視野に入れざるを得ない状況となることが予想される。

家庭用加工わさびのチューブタイプの今年3月までの直近1年間の市場を見ると、売上高は前年比2.6%増となった。ただし、2017年度は同5.2%減となっており、回復基調にあるものの前年度までには至っていない。全体としては魚離れ傾向は否めないものの、精肉類に向けた「きざみわさび」類が前年比で2桁増とその成長に貢献しているといえる。

エスビー食品の2018年度を見ると、チューブ入り香辛料全体では前年比3.0%増の189億7000万円となった。ハウス食品は同1.8%増の実績となっている。ともに好調なのが、徳用サイズと高級タイプだ。

「本生」「特選」といった主力品は堅調な推移を続けている。一方で廉価品は若干ながら減少傾向にある。この傾向はここ数年、全体として大きな変化は見られない。

徳用サイズはエスビー食品が昨年3月5日から二重構造容器“おいしさ長持ちチューブ”を5品に採用。これにより、香りや色、辛みが一層長持ちできるよう改良を加えた。

ハウス食品は今年2月11日から「大容量ねりスパイス」シリーズを発売。こちらは計4品で約4本分の容量となっている。これまで同社は約2本分の徳用サイズを展開してきていた。チューブ市場での徳用サイズは2008年には約10億円だったが、2018年には43億円と大きな成長を続けている。

今回のハウス食品の大容量サイズの投入で、この市場はさらなる活性化が期待される。この分野では生鮮の代替としてニンニクやショウガでの伸びが高いが、加工わさびでも10%強の伸びを示し家庭用の加工わさび市場を引っ張っている存在といえる。

KSP-POSデータ(2018年5月~2019年4月、全国)を見ても、エスビー食品の「お徳用生わさび(175g)」が5位、ハウス食品の「おろし生わさびお徳用」(80g)が10位と存在感を示している。

KSP-POSデータによる家庭用全国年間シェアで他を見ると、順位で大きな変動はなく1~6位は変わらない。カメヤ食品の「おろし本わさび」が前年の7位から8位に順位を落としているが金額シェアは3.04%から3.33%と伸ばしている。前年の10位から8位にエスビー食品の「本生きざみわさび」が伸長した。

家庭用の加工わさび市場は前年に市場は縮小したものの、大容量タイプの新製品の登場でこれからの市場は拡大が予想される。また、高価格帯のカテゴリーも分母は小さいながらも、順調に市場を拡大している。

一方でこれまで市場をけん引してきた主力ブランド「本生」や「特選」などは、近年は伸び悩んでいる。今後は主力ブランドの再強化が求められることとなる。

1/2ページ

最終更新:6/10(月) 13:00
日本食糧新聞

こんな記事も読まれています

あなたにおすすめの記事

Yahoo!ニュースからのお知らせ