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中元商戦は「令和」で弾み ハレの日を演出へ自家消費も

6/10(月) 17:10配信

日本食糧新聞

2019年の中元ギフトは令和初の商戦として弾みをつけ、業態特性に合わせて購買を促せるかが鍵を握る。百貨店は改元の祝賀ムードを生かし、ハレの日を演出して購買動機を喚起する。総合スーパーを中心とするチェーンストアは消費者の購買行動変化に対応し、ネット販売に力を入れる。コンビニエンスストアはパーソナルギフトの需要を深耕すべく、独自色ある商品を揃える。

首都圏百貨店、脱日常的な商品体験を提供

首都圏百貨店のギフト商品開発は、おいしさや品質の高さはもちろん、見た目も背景ストーリーも重視する傾向にある。例年のあいさつにとどまらず、贈り先への心配りが伝わるような中元ギフトを追求する。贈る側の思いを表現できるギフトが、贈答の新たな動機を喚起する。自家消費の提案も新しい利用シーン開拓の試みだ。購入者は自分へのギフトを通じてハレの日を演出できる。

改元の祝賀ムードは中元ギフトへの関心を高めると期待されているが、市場活性化の鍵は、「お中元」の習慣が現代的な意味を獲得できるかどうかにある。各社は令和最初の中元をアピールする中で、中元の起源や歴史に言及しつつ、贈る先への心配りや思いの意義に立ち返る。この「思い」を伝えるために欠かせないのが、日常とは異なるサプライズの要素になる。自家需要も含め、ギフトの価値は商品を通じて脱日常を感じられる驚きにある。

ギフト商品の開発テーマとして、今季も「SNS映え」は重視されている。箱を開けた瞬間に、その見栄えに驚きを覚えるような商品だからこそ、SNSでシェアしたくなる。味わいはシェアできないが、見た目の良さは拡散できるという違いも重要だ。

もともとギフト商品の多くは見栄えも大切にするが、見栄えのよさを起点に開発するギフトも増えている。大丸松坂屋の「錦鯉の姿で『令和』寿司」は、錦鯉に見立てた寿司が令和の文字を成す。購入者も受け取る側も、食べる以上に眺めることに価値を見いだすかもしれない。

高島屋の「夢のホームランバット」は、長さ60cmのバット形状のバウムクーヘンだ。箱の長さを見ただけでワクワク感が高まりそうだ。東武百貨店「美見礼讃」のように見た目重視で企画を組むケースもある。

開発ストーリーを知ることでも商品の印象は変わる。「三越の三ツ星」として展開するギフトは、素材・製法だけでなく作り手にも注目する。石川県産の希少なナシ「加賀しずく」を使用した「葛あんみつプレミアム」や、南米ペルーの農村で農園を営む日本人「高橋克彦 カフェ・オルキデア アイスコーヒー」などを提案する。

贈り先を喜ばせるための心配りは、おいしさや楽しさだけではない。三越伊勢丹の「日々是食楽」は、ごちそうメニューでありながら塩分控えめなどの健康配慮型のギフトを集めている。高島屋の「スローカロリー倶楽部」は、糖質をゆっくり吸収できるデザートを商品化した。

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最終更新:6/10(月) 17:10
日本食糧新聞

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