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ファーウェイは「ブラックスワン」を予想して動いた

6/10(月) 12:04配信

ニュースソクラ

【華為(中)】自主開発でグーグル、アームの禁輸乗り越えか

 「ブラックスワンも灰色のサイもいるのです」--ファーウェイが研究開発拠点として整備した東莞市(深セン市の北隣)の松山湖キャンパスを訪ねた。

 東京ドーム2個分の敷地に、欧州各地の11都市をイメージした宮殿や城を思わせる建物が並ぶ。どのエリアにも洒落たレストランが備わり、まるでディズニーランドかハウステンボスのような、テーマパークを思わせる。敷地内には川が流れ、そこにはブラックスワンが放し飼いされ、川辺には灰色のサイの置物がある。
 
 「ブラックスワン」はリーマン危機のようにめったに起こらないが、いったん発生したら極めて大きな影響ももたらす事象のこと。「灰色のサイ」は起こる確率も高いので予想もつくが対処法が簡単ではない事象をさす。

 危機への警戒を怠らないよう、新しい研究開発拠点の敷地内の目立つ位置で飼い、置物を据えている。ブラックスワンは深センの本部でも飼われている。

 昨年以来の米国政府からの制裁はまさにブラックスワンとも言える。だが、2000年ごろより数々の訴訟に見舞われるなど、実は予兆はあった。最悪の事態に備えて、ファーウェイは準備をしていた節がある。

 ついに5月15日、トランプ大統領はファーウェイ製品の排除を目的とした大統領令に署名し、米商務省はファーウェイと関連企業をリストに掲載し、米国製製品のファーウェイ・グループへの供給をストップした。

 この措置のうち、欧米メディアがファーウェイの急所といえるのではないか、とみたのは二つ。ファーウェイのスマートフォンのほとんどに採用されているグーグルのOS(基幹ソフト)アンドロイドと、スマホの心臓部といえる半導体(CPU)で英アーム社が設計した製品が使えなくなることだった。

 「この二つがなければスマホが作れないのではないか」と見る向きもあった。

 任正非CEOはどちらもたいした問題ではないと語っている。強がっているようにも見えるが、関係者に話を聞くと、「アンドロイド自体はこれまでの分はオープンソースであるので、使用禁止は掛からない」とあまりあわてていない。

 ファーウェイ自体は正式なコメントを出していないが、事情通の間ではファーウェイが自社開発のOSを今秋にも公表するのではないかとの観測が強まっている。もしそうなるのなら、グーグル製品が使えなくなることを見越して、バックアップのOSを密かに開発していたと見ることができる。

 それでもアルファベット(グーグルの持ち株会社)傘下のGメールやユーチューブのサービスが今後のファーウェイスマホでは使えなくなるリスクは残る。だが、それも代替品を準備している可能性は少なくない。

 省電力型でいまやほとんどのスマホに使われているアームの半導体が使えないのは致命傷にみえる。これも、これまで供給を受けた分については、永久にファーウェイが使える契約を結んでいるほか、今後グレードアップされていくようなら自社半導体に代替していく準備を進めている模様だ。

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最終更新:6/10(月) 12:04
ニュースソクラ

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