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命を救うための活動【レインボーハート】

6/11(火) 15:04配信

琉球新報

先月5月、JTA日本トランスオーシャン航空の社員研修で「LGBT・性の多様性」をテーマに講演させていただきました。

JTAは昨年度から私が代表を務める「レインボーハートプロジェクトokinawa」の学校講演会に協賛くださっています。

当日は整備服のままの方や客室乗務員の方、若い方から管理職の方まで、会場びっしりに集まってくださいました。2時間という長時間にもかかわらず、うなずきながら最後まで熱心に聞いてくださり、皆さんの関心の高さを感じました。


講演会の感想を拝見すると「命を救うための活動だと理解できた」という声がたくさんありました。あまり知られていないと感じますが、実はLGBTは自殺のハイリスク層です。

東京都世田谷区が2016年に全国のLGBT約1000人を対象に行った調査によれば、49・7%が「自殺をしたい」と思ったことがあり、18・9%が自殺未遂を経験しています。

実際、私自身もこれまでにゲイの近しい知り合いを2人自殺で亡くしました。

LGBT当事者にとって、自殺は遠い存在ではなく、身近な問題です。
17年に三重県男女共同参画センターと宝塚大学日高庸晴教授が共同実施した、三重県の県立高校2年生全員約1万人を対象にした調査では、LGBTの高校生3割が自傷行為をしているという結果も出ました。

3割ということは約3人に1人です。日本でのLGBTへの理解は広がってきたと言われ、私もそう感じることもありますが、これほどまでに多くのLGBTの高校生が自傷行為をしているという事実を知った時、胸がしめつけられる想いでいっぱいになりました。三重県が特別なわけではなく、他県でも、そしてここ沖縄県でも同じような状況だと思います。

講演会でたくさんの沖縄県内の学校を訪問しましたが、個別相談やツイッター等で相談を受けると「死にたいと思った」「刃物が手放せない」といったLGBTの若者の声は少なからずありました。こうしたケースでは学校や臨床心理士の方など専門の方につないでいます。

オネエタレントや、夜の飲み屋で話の面白いLGBTの人に出会ったなど、明るいイメージもありますが、命の危機にさらされている当事者はたくさんいます。まずは一人ひとりが正しい知識を持ち、当事者が差別や偏見を恐れたり、命を絶とうと思ったりしない環境を作っていくことが何より大切だと思います。

いつの日か、LGBTの自殺や自傷行為が今より少しでも少なくなることを願い、私も講演活動を頑張っていきたいと思っています。
(2019年6月11日 琉球新報掲載)


 竹内清文(たけうち・きよふみ) 岡山県津山市出身、沖縄県在住。レインボーハートプロジェクトokinawa代表。LGBTをテーマに学校講演会を数多く行う。


 

琉球新報社

最終更新:6/11(火) 15:04
琉球新報

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